パンサー尾形という素材を生かしたテレ朝『ロンドンハーツ』の調整力
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今回ツッコませていただくのは、3月26日放送分『ロンドンハーツ 春の3時間SP』(テレビ朝日系)の「パンサー尾形 密着32日間ミュージカルドッキリSP」。
「パンサー」と言えば、今、「出待ちナンバーワン」とも言われる、大人気の吉本興業所属のトリオ。だが、「パンサー尾形」と言えば、思い浮かぶイメージは別のものだろう。それは、グラビアアイドル・杉原杏璃の罠にハメられた『ロンハー』の「マジックメール特別編」。自信のなさやケチさ、ナルシストで小心なダメっぷりを存分に発揮したうえ、騙されていたことがわかると、本人の目の前で「クソ女」と言ったり、「素人には手を出します」発言をしたりと、最低な言動を炸裂させていた。
にもかかわらず、一般視聴者から挙がっていた声は「カワイソー」「かわいい(笑)」「面白すぎ」という好意的なものが圧倒的多数だったのも印象的だった。続いて、昨年末の『ロンハー』での「ウラでこんなことやってました2012 クリスマスだからバラしてもいいよねSP」では、日本経済などに関するシンポジウムのパネラー役の仕事が、手違いで来てしまったという設定のドッキリ企画で登場。難しい用語が飛び交う中、イヤホンでくるはずの指示が来なかったり、メールでの指示が届いたかと思いきや、添付された動画は、ラジオ体操やAV動画だったり……。そのたびに見せるうろたえぶりが、なんとも物悲しく、おかしかった。
で、今回は手間暇かけたミュージカルの主役ドッキリ。今回も同じく全力投球で、おバカでピュアで、最終的には感動すらあった。おそらくこの企画で、パンサー尾形の好感度はさらに上がっていることだろう。
それにしても、あらためて見事だと感じるのは、『ロンハー』の調理法の巧みさだ。吉本期待の人気者・パンサーの中でも、アイドル的人気の高い向井慧ではなく、尾形に着目するところもうまいし、「マジックメール」以降の展開の仕方もうまい。
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