「ゆくゆくはピンのタレントとして……!?」愛され続けて40年・キティちゃんはどこへゆく?
#企業
ほかにも日本国内でサンリオが展開するテーマパークというと、「サンリオピューロランド」(東京都)、「ハーモニーランド」(大分県)の2カ所が有名だが、昨年はマレーシアの「プテリハーバーファミリーテーマパーク」内に「サンリオ・ハローキティ・タウン」を現地企業がライセンス契約により開園。さらに、台湾の航空会社・エバー航空は2005年より日本~台北間の航路に、機体ペイントのみならず各アメニティや機内食など何もかもがキティ一色のハローキティジェットを就航(中断していた時期あり。現在では日本以外の路線にも)。昨年6月にはアラブ首長国連邦の首都・ドバイに、「ハローキティビューティスパ」という高級スパもオープンするなど、サンリオ──そしてハローキティは国境をも超えて活躍している。
Original concept by Sanrio Wave HK. All rights reserved.
「昔はキャラクター=子どもというイメージがありました。しかし、オリンピックでもマスコットキャラクターが毎回作られるように、キャラクターは親しみやすさをアピールするために作られます。ただキャラクターグッズの歴史が、アニメや漫画など子どものものから始まったために、たまたま子ども向けというイメージが定着していただけだと思います」
キャラクターの持つ意味合いをそうとらえるサンリオは、起業当初より「ソーシャルコミュニケーションビジネス」を掲げている。
「弊社の事業について、我々は “ソーシャルコミュニケーションビジネス”と呼んでいますが、そこにはキャラクタービジネスではなく、人と人のつながりを円滑にするようなことを事業化していこうという思いがこもっています。その一つの表現方法として、キャラクターとは言葉を使うことなく人と人をつなげるメッセンジャーのようなものと認識しています。
例えばキティちゃんのプレゼントをもらった時、受け取った側はもしかしたらそんなにキティちゃんが好きじゃないかもしれない。でも、少なくとも贈る側のなんらかの好意的な感情をキャラクターデザインから感じることはできると思います。そういうふうに言葉でうまく表現できないことを、キャラクターが代弁してくれるという部分があるんじゃないでしょうか」
■仕事を選ばないキティさんの今後の展望
ワールドワイドに、そして世代を超えて活躍する我らがキティちゃんだが、冒頭で触れたように「KITTYROBOT」「イチゴマン」「DJハローキティ」など、さまざまなパフォーマンスに挑戦。毎回、我々を驚かせ、そしてワクワクさせてくれる。
「これからはキティちゃんを一人のエンターテイナーとして育てていこうと考えています。これまでもハーモニーランド、ピューロランドや全国でのショーはやってきたんですが、そうではなく、ピンのタレントとして売り出していきたいですね」
このように語る東松さんが一番楽しそう。キティちゃんの活躍を楽しんでいるのは、誰よりもサンリオのスタッフのようだ。
40年にも及ぶ活動を通じて、名実ともにサンリオを支える大きな大黒柱として君臨するまでに成長したハローキティ。世界中のあらゆる存在とコラボレーションすべく、今日も彼女はみんなのそばで愛嬌をふりまいている。
(取材・文=有田シュン)
●サンリオ
<http://www.sanrio.co.jp/>
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