「ゆくゆくはピンのタレントとして……!?」愛され続けて40年・キティちゃんはどこへゆく?
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(C) 1976, 2013 SANRIO CO.,LTD.
「それも一つの要因だと思いますが、そんなに単純じゃないと思います。80年代以降、高校生くらいの方から『ハローキティがずっと好きだったけれども、どうしても子ども向けのデザインだから、まわりから子どもっぽいと言われる』『自分たちの世代でも持てるものを作ってください』というお手紙をいただくことがあって、すでにいくつか大人向けのグッズも展開していました。しかし、割合としては子ども向けのグッズが大多数でした。それが96~97年ころに弊社に限らず、大人がキャラクター商品を使うというのは子どもっぽいことではない、と考える人が増えてきて、大人向けのキャラクター商品が受け入れられるようになってきました。全人口の年齢の幅を考えれば子どもよりも大人のほうがはるかに割合が多いので、そうなってくるとキティの支持層も圧倒的に大人の割合が多くなってきたわけです」
男子向けグッズに目を向けると、バンダイが高年齢層向けの「ガンプラ」ブランド「MG」シリーズを95年に展開。またアニメファンをターゲットとした深夜アニメの放送が本格化し始めるのも96年頃。偶然かもしれないが、確かにこの頃からそれまで「子ども向け」と捉えられていた娯楽やキャラクターが「大人向け」に展開する動きが活発化してきたようにもみえる。さらに、日本以上にキャラクターグッズを大人が持つということに抵抗のある社会が多い海外でも、2000年以降、日本と同じく大人向けキャラクターグッズが売れるようになる、という価値観の転換が起こったそうだ。
東松さんは、この10年の「ハローキティ」、そしてサンリオの躍進の裏には、社会のキャラクターに対する価値観の転換が大きいと語る。その結果、冒頭にも触れた驚くべきコラボレーションの数々も実現した。
「コラボレーションもキャラクターだけではなくブランドやご当地のものなど多岐にわたることで、キティのファン層が広がっていきました。基本的にサンリオキャラクターは『人と仲良くしていくこと』がコンセプトなので、ほかのキャラクターとのコラボレーションは、コンセプトに合っていると思います」
「人と仲良くしていくこと」をモットーに、まさに「仕事を選ばず」コラボレーションしまくるキティちゃん。彼女にとってのNGは「殺傷能力のある刃物、銃(合法な国であっても)」「タバコ、ワイン以外のお酒」「アダルトグッズ」等だそうだ。
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