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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 謎の独立国家・ソマリランド

海賊国家といわれるソマリアに林立する「国家のようなもの」その実態に迫る!【前編】

Somali1-2.jpgラクダ肉を見せてくれたソマリランドの肉屋の人たち。

高野 いや、もう全然違うと思っていました。周辺国の人も「ソマリ人はイカれてる」って言っていたし、地獄みたいなイメージしかなかった。前に一度飛行機でモガディシュから来たソマリ人と乗り合わせたことがあって、「モガディシュって、すごく危ないんじゃないの?」と聞いたら「いや全然危なくない。武装した護衛を付けていけば全然OKだ」と言うから、「それはOKじゃないだろう!」と(笑)。

――いざ行くとなったとき、ビザ(査証)はどうされたのですか?

高野 それもわからなかった。でも09年頃にいよいよソマリランドに行こうと思ってネットで調べていたら「ようこそ、ソマリランドへ!」と英語で書かれたソマリランド共和国のホームページが出てきて、そこでビザの用紙をダウンロードできたんですが、今度はどこに申請したらいいのか書いてなかった。一体どうしてほしいんだ? と思いました。

 そこで、アフリカでずっとジャーナリストをしている昔からの知り合いで、ケニア・ナイロビ在住のカメラマン中野智明さんに話を聞いてみたら、昔エチオピアのアディスアベバでビザが取れたというので、じゃあそこに行って取ってみるかということになったんです。

――とはいえ、どうなるかもわからない状態で、行動に移すのを後押ししたのはなんだったのでしょうか?

高野 取材対象が「国」だったことかな。なんせ、未知動物を探すことが嫌になってきて(笑)。というのは、未知動物を探す上で最大の欠点は、見つからないということでしょ。まあ動物は見つからなくてもしょうがないけど、「国」だったらあるだろうと。

――たまには取材の“取れ高”もあったほうがいいと?

高野 そうそう。たまには見つけてみたいし(笑)。国だったら、「ある」可能性が高いだろうと思ったわけです。

■実際に訪れて目の当たりにしたソマリランドの現実

――実際に現地に行ってみて、どうだったんですか? また、入国にはどんな困難がありましたか?

高野 エチオピアでビザを申請したら思いのほか簡単に取れて、その後は入国も普通にできました。その段階では普通の「国」に入るみたいだなと思ったんですよね。正直、思っていたのと違うな、というのはあった。未確認国家を見つけに行ったのに、すんなり入れたので、どうしようかと戸惑ってしまいました。

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