中国で女性がマンホールに落下して行方不明 事故の陰には地下油の蔓延があった!?
#中国
爆発して吹き飛んだフタで人が負傷したり汚水が大噴出したりと、何かと物騒な中国のマンホールで、悲劇が起こった。
共産主義青年団の機関紙「中国青年報」によると、3月22日夜、湖南省長沙市の路上で、21歳の女性がフタの開いたマンホールに落下する事故が発生した。一緒にいた友人らの通報によって駆けつけた警察が捜索を開始したが、今までのところ彼女の行方は分かっていない。当時、長沙市は折しもゲリラ豪雨に見舞われており、マンホールが直結する下水道には大量の雨水が流れていた。そのため彼女は、下水道が延びる3キロ以上先の河川まで流された可能性もあるという。
マンホールに落下して消息が途絶えるとは、日本ではまず考えられない、まさに不運としか言いようのない事故である。しかし、広東省広州市在住の駐在員の男性も、マンホールに落下しそうになったことがあるという。
「タクシーから降りようと足を踏み出したところがちょうど、フタの開いたマンホールの真上で、あわやというところでした。中国のマンホールは、とにかくフタが開いていることが多い。特に、中国の夜道は暗いので、フタが開いていることに気づかないこともある。しかし中国では、看板や窓、エアコン室外機から飛び降り自殺者まで、頭上からの落下物が歩行者を直撃する事故も多数起きているので、下ばかりを見て歩いてもいられず……」(駐在員男性)
ではなぜ中国には、フタが開いたマンホールが多いのか。その理由は、中国名物のあの偽装食品と関係が深いという。広東省地方紙の社会部記者は話す。
「工事や清掃の後、フタを閉じないまま放置されているものもありますが、最近多いのが、地下油(地溝油)業者が開けっ放しにしたもの。地下油業者が厳しく取り締まられるようになってからというもの、疾風のように現れて、マンホールのフタを開けて下水の油分を採取すると、フタを閉じる時間も惜しんでそそくさと逃走する地下油業者が増えているんです」
健康被害だけでなく、歩行者事故も誘発する地下油の蔓延。とにかくこの国では、命が惜しければ外食はおろか、外出もしないことが得策のようだ。
(文=牧野源)
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