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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『さくら荘』不可解な原作改変で
週刊アニメ時評 第38回

不可解な“原作改変”繰り返し、視聴者を挑発し続けた『さくら荘のペットな彼女』いよいよ最終話

sakurasonopoe.jpg『さくら荘のペットな彼女』アニメ公式サイト

 人気ライトノベル原作のアニメ『さくら荘のペットな彼女』が、最終話を目前にして炎上的な意味で熱く燃えている。

 先日放送されたばかりの第23話「卒業式」において、原作では描写されていた国歌斉唱シーンおよび式次第から「国歌斉唱」の項目が削除され、日本の学校なら本来掲げられて然るべきである日本国旗が描かれていなかったせいだ。

 この事実に、ネット上では大炎上。その一方で「過剰反応じゃね?」と疑問を呈する声もあり、賛否両論が渦巻いている。

 問題児の巣窟として悪妙高い学生寮「さくら荘」に集う高校生たちの、夢に向かって悪戦苦闘する姿や淡い恋愛模様が多くの視聴者の心を捉えた『さくら荘~』だが、本作の炎上事件は今回が初ではない。

 昨年放送された第6話「雨あがりの青」において、風邪でダウンしたヒロインの一人・青山七海に三鷹仁が韓国の煮込みスープ・サムゲタンを作ってあげたシーンが登場。原作では「シンプルなお粥」と表現されていたはずだが、なぜか韓国料理が不自然な形で出現したことでネットは炎上。

 時を同じくして、続々と芸能人がアメブロでサムゲタンについてのエントリーを投下したことから、「これはステマでは?」との疑惑が噴出した。

 こういったアニメファンの声に対して、第6話を手がけた脚本家・伊藤美智子はツイッター上で彼らを挑発するような言動を繰り返しアカウントを削除。また、自称アニメ制作会社・サンライズの社員だという人物がツイッター上で「かつお出汁香るシンプルなお粥を美味そうに描くのは至難の業です」とアニメにおけるお粥表現の難しさを訴えるなど、アニメ業界を巻き込んで炎上は拡大した。

 さらに6話の演出・絵コンテを手掛けた監督・シリーズ構成のいしづかあつこの名前が放送後に公式サイトから削除されるという事態に至り、制作側からは「作品の制作、演出に対する背景や意図については通常、お応えしておりません」(メディアファクトリー)、「韓国推しの意図は一切ございません」(アニマックス)といった公式コメントが発表された。

 このような「前科」があるだけに、他のアニメ以上に厳しい視線にさらされ続けていた『さくら荘~』だが、最後の最後でまたも「やらかしてしまった」わけである(ちなみに今回の絵コンテも、やはりいしづかである)。

 今回はまだ関係各所のコメントなどは発表されてはいないが、これら一連の騒動のそもそもの原因は、いわゆる原作改変そのものではないだろう。

 多くのアニメファンが憤り、そして制作側への不満を露わにしているのは、「筋の通らない」原作改変が行われているためだ。

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