「日本が好きだから」外国人たちの思いに日本の魅力を振り返る『YOUは何しに日本へ?』の多幸感
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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
「青山に行って自転車を買って、自転車で日本のウエストコースト(日本海側)を旅するんだ」
『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)は日本の空港にやって来る外国人(番組では彼らを「YOU」と呼ぶ)に「YOUは何しに日本へ?」と問いかけ、面白そうな答えをしたYOUたちに密着取材を申し込むというシンプルな番組である。
2012年6月と10月にパイロット版が放送され、13年1月から水曜深夜枠で放送。そしてわずか3カ月後の4月から同局の新たなゴールデン枠(月曜18:30~19:54)に昇格する。
シンプルな内容は最初から変わらない。唯一変わったのは、パイロット版の司会がバナナマン日村勇紀と女性タレント(眞鍋かをり、優木まおみ)だったのが、レギュラー版で設楽統を加えたバナナマンのコンビになったことくらい。
番組の醍醐味は、その行き当たりばったりさであることは変わらない。
せっかく密着取材の許可をもらったのにYOUを見失って取材が終わったり、途中まで密着していて一番のクライマックスでYOUの気が変わって、そこで密着終了になってしまったりすることもしばしば。もちろん、逆に感動の再会や思わぬ偶然をカメラが捉えることも少なくない。
生まれたばかりの孫と逢うおばあちゃん、ネットで知り合った“彼氏”と初めて対面する彼女、遠距離恋愛中の恋人たち、飛行機を間違えて仲間より1日早く着いてしまい、空港で一夜を過ごす青年、空手の国際大会に出場する選手、モデルの仕事で来日した美女、そして、とある国の大統領……。実に様々な人々が空港を訪れ、カメラの前でインタビューに答えてくれる。また、空港だから思わぬ有名人がやってくることもある。リチャード・クレイダーマンがコンサートのために来日していたり、YOUに話を聞いていた時にカメラの隅を偶然、おぎやはぎの小木が横切ったりもする。
取材スタッフは、気が遠くなるくらいのYOUたちにインタビューを試み、放送できるのはそのわずか5%程度。そして密着できるのは1%ほどだという。
冒頭に紹介した、自転車旅をしようとしていたYOUは、愛嬌があってどこか抜けているドイツ人。
「青山で自転車を買う」と言っていたが、それは勘違いで、実は「青山」ではなく「青森」。在来線で14時間かけて青森まで行き着くと、まずはホテルを探し始める。ホテルも決めていないノープランの旅なのだという。
「初めて日本に来た時に見た、日本海に沈む夕日が忘れられなかったんだ」とYOUはこの旅を決意した。
マウンテンバイクを買うためにホームセンターへ行く途中、小さな自転車屋の店先に、5段変速ギア付き自転車を見つけるYOU。日本人にとっては80年代によく見た昔懐かしいその自転車も、YOUにとっては「クール!」な自転車。「40年間売れ残り」と笑う店主をよそに、YOUは「ダブルフロントライト」に感動しつつ購入を即決。
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