ルノアールの素晴らしき従業員教育の賜物 絶妙なタイミングでお茶が出てくるワケ
#外食産業
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
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ルノアールの素晴らしき従業員教育の賜物 絶妙なタイミングでお茶が出てくるワケ – Business Journal(3月19日)
人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!
今週は林賢一氏が、ルノアールに行ったことがある人ならおなじみの“お茶サービス”とそのタイミングについて、じっくり問い合わせてみた!
[回答者]銀座ルノアール本社 様
ルノアールは安定感がある。
なんの安定感かというと、喫茶店としてのトータルバランスである。
例えば、机の広さ。ルノアールの机は、良い感じにパソコンで仕事できるスペースがある。例えば、椅子の快適さ。座席も、長時間座っていても疲れない気がする。
それに比べると、ドトールは机が狭かったり、スターバックスはいつも混んでいて座れなかったりと、トータルバランスを考えるとルノアールに軍配が上がる結果になってしまう。
だからして、仕事であれ、読書であれ、ただの時間つぶしであれ、どの喫茶店にしようかと迷ったらルノアールを選べば間違いがない。どんな用途でもぴったりはまってくれるのがルノアールなのだ。
皆さんご存じだとは思うが、ルノアールにはこんな武器もある。途中でお茶が出てくる。これはありがたい。
コーヒーを注文した後……お茶が出てくる。
ココアを注文した後……お茶が出てくる。
そろそろ帰ろうかなと思ったら……お茶が出てくる。
ドリンク注文後にさらにドリンクが出てくるわけで、1杯の値段で2杯飲めることから、なぜか2倍得した気になってしまうのは私だけだろうか?
だが、ふと気になった。
お茶が出てくるタイミングに法則はあるのだろうか?
これまでを振り返ってみると、コーヒーを飲み終わった頃にお茶が出てきたような気もするし、コーヒー飲んでいる最中にお茶が出てきたような気もする。お茶タイミングはいつなんだ? 気になる。
そこで【銀座ルノアール本社】に直接聞いてみた。
「お茶をサービスしてもらえますが、あれって提供するタイミングに法則があるんですか?」
担当者 (とても真面目そうなしゃべり方で)そうですね、お飲み物が半分ほどになったら、という目安がございます。
──(驚)えー。そうなんですか! それが決まりみたいになってるんですか?
担当者 その場その場でまた変わってくるんですけれど、基本的にはそのタイミングでの提供になっております。
──従業員さんにも、そのように教えているんですか?
担当者 そうですね、はい。
──「飲み物が半分になったかな?」と従業員さんが見て、各々判断するってことですよね?
担当者 そうですね。その場で、はい。
──あの、たまにお茶が出てこない時があるんですが、あれは何か法則があるんですか?
担当者 いえ、その時の働いている従業員のミスだと思いますね。
──モーニングセットの時も、お茶はもらえるんですか?
担当者 はい。
──お茶って、お代わりしてもいいんですか?
担当者 はい。
──あのお茶自体は、そもそも何茶なんですか?
担当者 煎茶、緑茶になりますね。
──あれは単品では売ってないんですか?
担当者 そうですね、はい。業者の方から取り寄せております。
というわけで「ルノアールのお茶を出すタイミングは、飲み物を半分飲んだら」というシンプルかつ明確な法則が引き出された結果となった。知らなかった!
つまり、従業員さんたちは、こんなふうに常に目を光らせているのだ。
「あの客、どこまで飲んでるんだ?」
客の飲み物の減り具合を調べるのも、仕事の一環だからだ。できる従業員は、さらに一歩進んでいるかもしれない。
「あの客は3分の1まで飲んだな。もう二口でお茶だな」
細かい。芸が細かいよ、ルノアール。恐れ入った。
これからルノアールで過ごす時は「半分」というラインを意識しながら飲むと、よりルノアールライフが楽しめるに違いない。「半分」のラインを過ぎた時、従業員さんたちはキラッと目を光らせ、ムービングを始めるのだから。
(文=酒平民 林賢一)
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