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「酔街エレジー」発売記念 玉袋筋太郎インタビュー

「スナックにはスナックの歌がある」酔街が教えてくれる“やらかさない”生き方

IMG_0043_.jpg撮影=高橋郁子

 路地裏にネオンがポツリ。エコー強めのカラオケとママの合いの手が、扉の隙間から漏れ聞こえてくる――。日本独自の風俗であるスナックの素晴らしさを世に広めようとさまざまな布教活動を続けている浅草キッド・玉袋筋太郎氏が、初のシングル「酔街エレジー」を発売する。スナックという“こころの港”を求めてさまよう、男たちの悲哀(エレジー)。この曲に玉袋氏が込めた思いとは? あなたの知らない世界“スナック”と“昭和歌謡”の魅力を、玉ちゃんが語り尽くす!!

――「酔街エレジー」拝聴しました。玉袋さんの絶妙な声の枯れ具合が、また沁みます。

玉ちゃん お酒でうがいするとこうなるよ(笑)。かつては、ウィーン少年合唱団みたいな声してたのに……この声を作るのに、どれだけ費用がかかったことか!! この「酔街エレジー」は、そうやって徐々に出来上がっていく曲だと思うんだよ。20代には20代の「酔街エレジー」があり、30代には30代の、40代には40代のね。45歳の「酔街エレジー」が、今の俺が歌うこれ。年を取れば、また違ったものになるんじゃないかな。

――「酔街エレジー」が生まれたきっかけは?

玉ちゃん 俺は“スナック玉ちゃん”っていうイベントをずっとやってるんだけど、そのバスツアーで、俺が観光大使をやってる檜原村に行ったんですよ。檜原村でスナック玉ちゃんをオープンして、みんなで楽しく飲んで。外でたき火燃やしていいムードのところに、この男(※作詞作曲した、くろやなぎけんろう氏)がギター持ってきて歌いだしたのがこの曲。「玉ちゃんに歌ってほしくて作ったんだ」って。

――ロマンティックですねぇ。

玉ちゃん たき火から火がついて、それから夜のネオンにも灯がついてってね(笑)。まぁ、ずっと一緒にスナック活動してきた仲間だから、自然と歌詞も曲もできたんじゃないですか。行き当たりバッタリっていうのがイイでしょ。ノープロジェクトで。

――スナックに入るときも、直感ですか?

玉ちゃん 直感直感。そのセンサーはね、本当はみんな持ってるんだけど、ちょっと鈍っちゃってるんですよ。最近じゃあ、なんでも便利になっちゃってるから。この店は星がいくつ付いてるとかさ。そんなもんに頼っちゃダメですよ。自分のセンサーを持たないと。ぐるなびじゃない、“はーなび”(自分の鼻ナビ)ね。いい店をかぎ分ける嗅覚を持たないと。スナックこそ、そのセンサーを鍛えられる格好の場所ですよ。第六感が磨かれる。

――すでに超能力の領域ですね。

玉ちゃん そうです。私がスナックメンタリストです(笑)。いいんですよ、分かるやつだけ分かれば。だって、飲食業やサービス業の歴史から見ても、スナックはもっとメインストリームをいくべき業種ですよ。それがさ、路地裏に追いやられて、悪いものみたいなイメージで。それに対してママもマスターも反論せず、そのイメージを背負って生きているっていうのがね、かっこいい。

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