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週刊誌スクープ大賞

元・名物編集長がアベノミクスの大本営発表に苦言「週刊誌よ、権力を疑え!」

 中国のPM2.5問題が深刻になってきている。これを取り扱った文春の記事が第2位。

 大阪医科大学の河野公一教授がこう警告する。

「特に高齢者と乳幼児は抵抗力や免疫力が低いですから、慢性的に吸い続けているとCOPD(慢性的閉塞性肺疾患)になりやすい。最近、都市部の高齢者で呼吸器系疾患が多いのも、PM2.5の影響があると思われます。COPDは高齢者、特に八十歳以上の肺疾患で亡くなる方の死亡率第一位です。(中略)抵抗力の弱い乳児や子供も同様です。子供の場合は肺の発達成長の段階においてこういう疾患に遭うと、肺胞の正常な機能が保てなくなるといわれています。肺そのものの成長が鈍くなってしまうこともありえるんです。

 また、PM2.5は発ガン性物質でもあるので、肺胞周囲におけるガンのリスクが高くなります」

 日本ではこのところ煙霧が話題だが、これは寒冷前線の接近に伴って空気が対流し、地表付近の土埃やちりなどが巻き上げられて、水平方向に見通せる距離が10キロ未満になる気象現象のことだそうだ。文春は気象庁が「煙霧」と発表しているのは実は大本営発表で、中国へ配慮して「黄砂」といわないのではないかと、怒りを中国へと向ける。

 さらに先のような健康への被害が心配され、PM2.5のような微粒子だと「肺胞にまで到達し、血液やリンパ節に移行していく。ちょうど肺への沈着率が高くなる大きさなのです」(河野教授)。その上中国では規制の緩いアスベストまでが飛んできている可能性もあるというのである。

 北京から南西に約300キロのところにある中国のスモッグ・ワースト1位の都市(河北省)へのルポも敢行している。7歳の子供を連れた50代の工員はこう話している。

「春になると砂や煙が宙を覆って、真っ白で空も見えなくなってしまう。七、八年前に大きな工場ができてからというもの、小さい子供に気管支炎が増えている。発疹が出ることもある」

 工場から離れた市の中心部に子どもを住まわせたら、発疹が自然と消えたという。

 さらに文春は、07年に世界銀行が中国の水質汚染に関するレポートを発表し、大気汚染と空気汚染で年間約70万人が死んでいると述べられているのに、中国政府がその部分を削除するよう仕向け、最終版からはこの記述がなくなっていると報じている。

 中国側へ「汚染物質抑制要請」をするべき石原伸晃環境大臣だが、なかなか腰を上げず、ようやく中国側に申し入れたところ、中国側は日本への影響を認めず門前払いされたという。中国側からすれば、お前のところは福島第一原発事故で放射能をばら撒いたではないか。そんなことを言われる筋ではないということなのかもしれない。

 こうしたPM2.5対策としては空気清浄機が必須だというのだが、中でもスウェーデン製の「ブルーエア」が効果が高いそうだ。だが、20畳対応で8万円弱、半年ごとに交換しなくてはならないフィルターが8,400円と値段もかなり高めである。

 庶民は、せめて帽子にメガネ、マスクぐらいで自衛するしかないようだ。

 今週の注目記事第1位は、ポストの安倍バブル煽り派への批判記事にあげる。

 現代はアベノミクスと黒田東彦日銀総裁を合わせて「アベクロ」バブルと称し、今週も「『アベクロ・ショック』世界同時株高が来た」と煽っているが、ポストは「“官製報道”をチェックするべき雑誌メディアまでがそれに丸乗りしている」と、私がこのところ言い続けてきたような批判をしている。

 安倍首相は「中国の玉ネギよりも日本の玉ネギのほうが高くなったのは円高が是正されたためだ」という発言をした。だが、ポストが調べたところ、昨年末から国産玉ネギの値段は変わっていないし、円安で中国産玉ネギの輸入価格が一方的に高くなったのだから、これは詐欺師の口上のようではないかと難じている。

 その裏では、来年の消費税引き上げへの布石を打ってきているというのだ。

「自民党は消費税引き上げの際、スーパーや量販店など小売業者が増税分を値引きする『消費税還元セール』を禁止し、値上げカルテルを認める特別措置法案を国会に提出することを決定した。特措法ではさらに中小企業の業界団体が増税分の価格上乗せ方法を共同で決める『転嫁カルテル』を認めて、独占禁止法の適用除外とする方針だ。

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