アルバイトが楽しかった時代「Olive」1982年7月18日号
#雑誌 #出版 #昼間たかしの「100人にしかわからない本千冊」
■パソコンが使えれば日給1万円
「いま、企業で注目されているのはオフィス・オートメーション(OA)と呼ばれるもの。ようは、事務所のコンピューター化をめざしているのだ。となると、コピーや書類の整理をするオンナのコなんて、必要がなくなっちゃう。こうなれば、就職がだんだん難しくなるね。企業はOAマシンを使える人を求めている。OAマシンを知っていれば、もう、それだけで、就職運動の切り札になっちゃう。そこで、アルバイトをしながら、コンピューターやOAマシンの使い方を覚えちゃえば、就職運動とあいなるわけ」
フツーに主婦か?
バイト代は5000円~1万円と紹介されており、前述のナレーション・ガールと同等のレベル。
本文中の「コンピューターの操作は、ちょっと難しいと思えるけれど、プログラムがしっかりしていれば、1つ2つのキーを押せば、簡単に動かせる。あとは機械まかせ」と、テキトーな解説が記されているように、今では当たり前のパソコンも80年代初頭ならば、立派な特技だったことがうかがえる。う~ん、今や50歳を過ぎた、この世代からパソコンを使える人=特技を持っている人の感覚が消えないのが、わかるような気がする。
ネタにしかならないものはたいがいにして、記事中に記された、さまざまなアルバイトのバイト料を羅列してみよう。
武道館のコーラ売り:時給500円以上
FM東京の翻訳業務:時給650円
「non・no」のモデル:プロ並み
「CanCam」のモデル:日給約5000円
バニーガール:平均時給1300円
巫女:結婚式一回880円
104番号案内:日給3500円
ミスタードーナツ:平均時給470円
ケンタッキー:時給500円
マクドナルド:時給500円前後
イッセイ・ミヤケのショップ:日給4000円以上
シップス・レディス:時給500円
ポンパドール:時給600円
CBSソニー:時給580円
新宿ルイード:時給600円
もはや30年ほど前の時給ゆえに現代よりも安いのは当たり前。そこで、比較のために、当時のモノの値段を調べてみた。82年の「小売価格調査(あらゆる物品の価格を羅列している役に立つ統計書だ)」では、次のように記録されている。
かけうどん:307円
ラーメン:344円
テレビ:10万5300円
私立大の年間授業料:32万8800円
(以上、東京区部平均)
はがき1枚:40円
新聞月極:2600円
文藝春秋:530円
週刊朝日:250円
たばこ(ハイライト):150円
なんだか妙である。かけうどんは、30年たっても価格は同等(むしろ安くなった感がある)。対して、ラーメンや私立大学の授業料、たばこは倍以上。対して、テレビは半額以下といった具合だ。つまり、価格だけ見て当時が暮らしやすかったか否かを、単純に測ることはできない。
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