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BL史上初の快挙! 20年続く雑誌「MAGAZINE BE×BOY」の歩み

1304MBB.jpg「MAGAZINE BE×BOY」2013年04月号

 ついにBL界にも20年越えの雑誌が登場! リブレ出版の発行する月刊誌「MAGAZINE BE×BOY」が3月7日発売の4月号で創刊20周年を迎えた。ボーイズラブを扱う雑誌は数あれど、20年続いたものは初めてとなる。これまでの歩みについて、話を聞いた。

 あまりBLには明るくない筆者だが、「MAGAZINE BE×BOY」が歩んできた道のりは、決して楽なものではなかったことは察しがつく。

 「MAGAZINE BE×BOY」が創刊されたのは1993年のこと。当時の出版元は青磁ビブロスだった。この会社は97年にビブロスに改称し、「全国統一オタク検定試験」を実施して話題になったが、06年、グループ会社であった自費出版系出版社・碧天舎の自己破産に引きずられて連鎖倒産してしまう。しかし、人気の高かったボーイズラブ系の事業は新会社・リブレ出版に継承されて今日まで続いてきたのである。まさに、苦難を乗り越えて現在があるといっても過言ではない(倒産後にビブロスの社長だったY氏がゴールデン街で女の子をナンパしながら、「俺はすぐ復活してやる」と飲んだくれていたという目撃談が出版業界で話題になった)。

 それはさておき、編集の岩本朗子さんは、立ち上げ時の苦労を次のように語る。

「最初は予算的な制約が厳しかったですね。ページ数は180ページを超えたらダメ。それに、原稿料に充てられる金額はわずかでしたし」

 そんな厳しい環境でも雑誌作りは楽しかったと語るのは、長らく編集長を務めた現・リブレ出版社長の太田歳子さんだ。

「それまで、おおっぴらに“男同士(の恋愛)が好き”という話ができる友達がいなかったんです。でも、入社してみたら皆さん、隠語で何か話している。それが、カップリング名だと理解できるようになるにつれて、“なんて開放的!”とうれしくなりましたね」

 とはいえ、予算はもちろんのこと、業務は過酷。しかし、そんな日々も「神に感謝した」と太田さんは話す。

「深夜に、こんなに好きな本に囲まれて仕事ができるなんて、私はなんて幸せなんだろうと思って、窓を開け月に向かって大声で『ありがとう』って叫んじゃいました。近所の人に怒られましたけれど」

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