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日刊サイゾー トップ > 社会  > 【震災2年】遺体安置所の真実
君塚良一・石井光太・小橋めぐみ講演

震災後2年を経て見つめる、遺体安置所の光景『遺体~明日への十日間~』

itai_sub1.jpg(c)2013フジテレビジョン

■150体の遺体を泣きながら作った

 君塚監督にとって、映画『遺体』は特別な作品だという。

「遺体安置所を舞台にするのだから、劇映画とはいえ被災地にカメラを向ける。劇映画とはいえ、被災者やご遺族にカメラを向ける。劇映画とはいえ、遺体にカメラを向ける。僕の人生に関わってくる映画なので、この作品が終わったからといって、次のテーマにいけないくらいの覚悟を決めて撮りました」

 映画『遺体』は、出演する俳優たちにも『覚悟』のいる現場だったという。

 主人公の西田氏以外にも、遺体の検案をする医師役の佐藤浩市氏、歯科医師役の柳葉敏郎氏、歯科助手役の酒井若菜氏。さらに釜石市職員役を演じた沢村一樹氏、筒井道隆氏、志田未来氏、勝地涼氏。市長役の佐野史郎氏や葬儀社社員役の緒形直人氏……。

 母親を亡くした遺族の役として出演した小橋めぐみ氏は「役名はありましたが、実際に遺体安置所のセットに入ると、自分自身が追体験するような感じだった」と話す。

 小橋氏が演じたのは、亡くなった母親にお化粧をする娘役。原作も脚本も、主人公の相葉さんが母親に化粧をすることになっていたが、当日になって急遽、娘役の小橋氏が化粧をすることになった。それは、1カ月間、ご遺体に寄り添う小橋氏の演技を見てきた西田氏が「僕だったら、この娘さんに化粧をさせてあげたいと思う」と提案し、シナリオを変更。リハーサルなしで、すべてアドリブで撮ったという。撮影現場では、そういうことも起きたという。

 映画『遺体』で覚悟を決めたのは、スタッフも同様だったという。

「美術部は、人形とはいえ、心を込めながら、ご遺体を150体も作った。追体験をしながら作っているわけだから、毎日泣きながら作っていましたね」(君塚監督)

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