トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 乱立する政党の主張がわかりすぎる!『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』

乱立する政党の主張がわかりすぎる!『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』

61HKxfC9WEL._SS400_.jpg『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』
(リブレ出版)

 政党は乱立するが、主張がよくわからん。そんなことを考える人も多いのではなかろうか。政党の離合集散は頻繁に起こり、選挙の度に混乱は募るばかりだ。

 そんな国民の思いに応えたのか、現在の国会に議席を持つ政党を解説する、文字通り「面白くてためになる」マンガが誕生した。多くのボーイズラブ雑誌・単行本を出版してきたリブレ出版が送る『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』が、それだ。

 本書は、2010年に出版された『政党擬人化政党たん』に次ぐ第2弾。版元がリブレ出版ということもあり、擬人化+BLかと思いきや、みんなの党・渡辺喜美代表のインタビューページも含んだ構成で、内容はなかなかハード。「期待のルーキー維新の会たん」は「男だけど勝負服はスチュワーデス」「自民たん、支持率アップがうれしくてカツカレー食べた」とか、関係者にとっては忘れてほしい話を掘り起こすのだ。太陽の党が設立3日目で維新と合流したエピソードを扱うページでは「ショタどころか受精卵のまま飛び立った」なんて解説も。

 また、妙に目につくのが共産たんをイジっているページ。同党の支持者として「某巨大グループ御曹司作家・某氏」は度々登場するし「作家・クリエイターは伝統的に共産たんの魅力に弱い(さらに“例外中の例外”として、あの人の似顔絵が)」とか「公安たんに見張られているし」とか、確かにその通りだけど、こんなの書いて大丈夫か? と思ってしまうネタが満載だ。

 こんな怖い物知らずの本の原作とネームを担当したのが、BL作家の水戸泉さんだ(相撲とは無関係である、念のため)。水戸さんは、作家活動の傍ら表現の自由の問題への積極的な関わりでも知られる人物。そんな彼女は、前作でも関係者から抗議はこなかったので大丈夫だろうと動じない。

「不思議なことに、抗議はありません。神楽坂(リブレ出版は神楽坂駅前にある)は道が狭いから街宣車が入れないからかも……冗談です。本当に何が地雷になるかわからないので、今回はフリーランスライターの畠山理仁さんに監修をお願いしたんですが、畠山さんもハードな人なので『どれも大丈夫でしょう』って。さすがにヤバすぎるものは伏せ字にしましたけどね」

 さらに、やたらと共産党がネタになっている理由は「キャラが立っている」からだという。自民党や民主党は、規模が大きくて所属議員の主張に差異もあるため、ひとつのキャラにまとめるのが難しい。ところが、共産党は所属議員の主張がまったくブレないので、結果的に「キャラ立ち」しやすかったのだとか。

12
ページ上部へ戻る

配給映画