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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 自動改札機が「SF的スピード」だった時代『ひとり暮らしの東京事典 84年版』
昼間たかしの百人にしかわからない本千冊 13冊目

自動改札機が「SF的スピード」だった時代『ひとり暮らしの東京事典 84年版』

tokyojiten02.jpg東京の地下鉄路線は、まだこれだけ。今は便利になりました。

 そして、田舎から上京してきた人が困惑するラッシュについても、親切に指南してくれる。そこで記された人の流れに乗る方法は、こうだ。

「決意したらまわりを見渡そう。同じことを考えている人がいるはずだ。その人の後ろまで近づき、横切る方向に向かって後方45度にぴったり付く。要するに便乗するのである」 

 現代でも使えそうな項目はココだけ。なにせ自動改札機に対しては「差し込むとそれはもうSF的スピードで吸い込まれ、改札機方向にピッと出る仕掛けになっている」なんて書いているんだから。加えて、各路線の一覧表には「スト状況」の項目も。80年代はまだストライキで電車が止まることも多かったんだなと実感する。

■人気スポットは中央線沿線

tokyojiten03.jpg挿入されているイラストとかがとても時代を感じさせる。
こうしたイラストレーターの人って、どうしているんだろうか?

 さて、生活編のページでは様々なジャンルのお店を紹介していくのだが、目に付いたのは定食屋の解説だ。「満足顔でしっかり食べて、それでも500円をオーバーすることはメッタにない」という記述をみると牛丼屋チェーンが全盛の今は、なんて不幸なんだ! と感じてしまう。なにより、ここで紹介されている学生街の定食屋には、今なお現存しているところも。ちょっと羅列してみると

・おふくろ(早稲田)
→消滅。ビルになっている

・三品食堂(早稲田)
→営業中、というかB級グルメブームもあって有名

・森川町食堂(本郷)
→営業中

・市ヶ谷食堂(市ヶ谷)
→居酒屋になっている

・大戸屋食堂(池袋)
→この後、チェーン展開

・三福林(下北沢)
→消滅

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