ダニエル・デイ=ルイスにアカデミー賞をもたらした、レオ様の幸運の正夢とは
#映画 #アカデミー賞 #レオナルド・ディカプリオ
「常に自分が本当に尊敬する、そしてまた革新的な仕事をしている監督と仕事をしたいと思ってるんだ。タランティーノは、まさにその条件にぴったりの監督で、ずっと仕事がしたいと思っていたんだよ」
劇中でも、これまでのレオのキャラクターとはまったく違った非常に残酷な悪役を演じるなど、役者としての新境地に挑戦している。
南北戦争直前というアメリカ人が触れたくない時代設定の中で、レオは南部の人種差別主義者の農園主を演じる。題材を聞いた時はショックを受けたというが、台本を読んでいくうちに「こんなものは見たことがない、読んだことがない」と、逆にこの作品に興味を惹かれたそうだ。
「これはアメリカが自分の過去を振り返り、鏡を覗くような大事なプロジェクトだと思ったんだ。その悪役っぷりも、タランティーノ監督らしい、ページから飛び出すような激しいキャラクターで興奮したよ。俳優というのはいろいろな役を演じるのが仕事だから、ここまで大胆不敵な人物だと、ある意味、非常に開放感を持って演技ができる。楽しかった。よく俳優にとって一番楽しい役は悪役だと聞くけど、僕もそういう感じだったよ」
来日前、海外メディアの間でレオの役者休業のウワサが出回り、その原因がタランティーノ監督との不仲にあるのではともささやかれた。だが、レオはこのウワサについても一蹴し、監督との仕事を楽しそうに振り返った。
「悪役を演じるにあたり、役者としては、その嫌な部分を正当化する理由がないと演じられない。僕が演じる農園主は、非常に偏見主義で人種差別主義者で、黒人に囲まれて育ってきたにもかかわらず、彼らを人間として扱わないという矛盾を持っている。この役を演じるにあたり、早い時点でいろいろなアイデアを出したんだよ。すると、信じられないほどの量のセリフやモノローグを、ほんの数日間で書き上げてくれたんだ」
撮影中には大ケガも負った。これについても「シャンパングラスやシェリーグラスがたくさん並んだテーブルを叩くというシーンで、あるテイクの時にシェリーグラスの上に自分の手がいき、グラスが割れて柄の部分が手に突き刺さってしまったんだ。血が出ていることも分かったし、テーブルも血で染まったけれど、このシーンを使ってもらえたら最高だとも思ったよ。それでそのまま演技を続けたら、監督は撮影中、心配そうにこちらを見ていたけれど、その後、ちゃんとそのシーンを使ってくれた。後で数針縫ったんだけど、俳優としては最高に幸せだったよ」と、監督に感謝の気持ちも述べた。
来日すると空港で150人のファンに出迎えられ、初日の舞台挨拶のチケットも4時間でソールドアウトするなど、レオの日本での人気は相変わらず。本人も親日家で、以前来日した時に、両親を京都に連れて行ったこともあるという。
会見では、ウワサされた俳優休業説についても一蹴。「大好きな俳優業を辞めるつもりは、まったくないよ」と否定し、舞台挨拶など、来日スケジュールを終始ご機嫌な様子でこなしていた。
(写真・文=名鹿祥史)
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