【Jin-Machine】V系シーンに笑いの花を咲かせる”演奏するゴールデンボンバー”
#ゴールデンボンバー
──前代未聞のヴィジュアル系エアバンド・ゴールデンボンバーの快進撃の陰で、歯噛みしながら地道にライブを続ける、彼らの”盟友”バンドがいた!
「我々は、言うならば演奏するゴールデンボンバーなんです! 自称・ゴールデンボンバーのバーターとして活動しており、できる限り彼らのブレイクの恩恵を受けたいですね!」
きっぱりこう言い切るのは、ヴィジュアル系バンド・Jin-Machineのボーカル、featuring16(フューチャリングイチロー)。仙台で活動する現役お笑い芸人である彼を中心に05年に結成された同バンドは、コント、フリップ芸、ヲタ芸などをライブに取り入れ、従来のヴィジュアル系のイメージを覆すステージで注目を集めだしている。
首都圏から離れた仙台という地を拠点に活動しながらも、2012年8月にリリースされたシングル「節電夏」はオリコンインディーズチャート6位を記録。「ゴールデンボンバー独り勝ち」状態のヴィジュアル系シーンでも無視できない存在になりつつある。
「仙台ではお笑いの舞台が月に数えるほどしかなくて、でもバンドのライブは地方でも毎日やってるじゃないですか。それが地方芸人である私がバンドを始めたきっかけなんです。バンドを結成した頃から我々とゴールデンボンバーは仲が良くて、よく同じイベントに出ていたのに、ウチがメンバーの女関係などで揉めている間に彼らは頑張って大ブレイクして……。こんなに格差が開いてしまって、今では連絡を取らなくてもテレビをつけたら向こうの様子はわかるという(笑)。
ただ、彼らのおかげで我々のような面白いことをやっているヴィジュアル系バンドへの注目も高まってきているので、悔しいですけど彼らにはもっともっと売れてもらって、こっちにも興味をもってくれるお客さんが増えてほしいですね!」
やや卑屈にも聞こえる発言だが、オリコンインディーズチャート6位は大したもの。Jin-Machineも、人気・注目度ともに上がっているはずだが……。
「私はこれまでオリコンってすごい権威だと思っていて、インディーズチャートでもトップ10に入ればミュージシャンとして生活できると思ったんです。けれども6位になっても、まだまだ音楽だけでは生活できない。今でも普段は電気工事のアルバイトをしています。一部のヴィジュアル系バンドマンはファンの女性から高額なプレゼントやお金を貢いでもらって……ということもあるようですが、我々は『ヴィジュアル戦隊バンド麺』という曲で、そんな闇の部分を茶化したネタをやっているので、同じことができないんですよね(笑)」
自分で自分の首を絞めるとはまさにこのことか、という哀切漂うエピソードだが、そんな経済的には苦しい状況の中でも、春からは全国ワンマンツアーが始まり、5月のファイナル公演は800人収容のライブハウス・新宿BLAZEが決定している。バンドの勢いは増しており、名実ともに人気バンドになれる日もそう遠くはなさそうだ、と思わされる。そうなったときに、featuring16、ひいてはJin-Machineの最終的な目標はどこにあるのか?
「バンドだけで食べていけるようになるのはもちろんですけど、最終的には不動産経営と『婚活』ですね! 今の収入では女性と結婚はおろか、お付き合いするのもままならないので。特に仙台のような地方都市では、女性にとって男性の収入は大きいと思うので、バンドで売れたら不動産を手に入れて『婚活』に力を入れたいですね!そのためにはまず、全国ツアーと新宿BLAZE公演を成功させたいです」
どちらが真の目的なのか、冗談とも本気ともつかないfeaturing16氏の野望だが、Jin-Machineのステージも同様に本気の演奏とお笑いネタが混在する、ほかにはないものになっている。ゴールデンボンバーを超える勢いで、音楽業界を引っかき回してほしい。
(文/藤谷千明)
Jin-Machine(じんましーん)
2005年に仙台で結成されたヴィジュアル系バンド。メンバーは、MC【註:ボーカル】featuring16(イチロー閣下)、破壊【註:デスボイス】あっつtheデストロイ、ギタ―――(゚∀゚)―――!!【註:ギター】マジョリカ・マジョルカ・マジカル☆ひもり、ていおん!【註:ベース】ブッシュドノエル・水月・アリッサ、ドラミ【註:ドラム】ルーベラ・木村・カエレの5人からなる(パート表記は公式による)。コントやヲタ芸などを交えた特異なライブが持ち味。
『読んでくれ~』
Jin-Machine初のアーティストブック。定番の撮りおろし写真に加えて、5人のパーソナルインタビュー、Jin-Machine用語辞典など、バンドの成り立ちがよくわかる1冊になっている。一般書店での発売はなく、通信販売か一部CDショップのみでの取り扱いなので、要注意。発売/フールズメイト 価格/2100円
【「サイゾーpremium」では他にもヴィジュアル系の魅力に迫った記事が満載です!】
・売れるバンドは見た目8割、テク2割? the GazettE、ゴールデンボンバーが牽引するV系ウラ事情
・市川哲史氏が徹底分析! X、LUNA SEAを模倣する”名盤V系サウンド”メッタ斬りレビュー
・整形、合コン、実は非イケメン……バンギャが語るV系メンバーの”素顔”と”下半身”事情
■「サイゾーpremium」とは?
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円で読み放題!
(バックナンバー含む)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事