飯田線の魅力が一挙に集結した展示会・飯田線マニアックス開催中
ぜひ期間中に制作に参加しよう。
「踏切のところで脱線しないか、緊張しましたね。それに、運搬のための道路使用は問題ないということだったのですが、図書館を出た途端に偶然パトカーが通りかかって……びっくりしました」(捧さん)
なんとか搬入できた復元電車は、創造館のロビーに陳列。玄関を塞いでいるようにも見えるが、車椅子が通れるスペースもきちんと確保しているんだとか。この、細かな配慮が心地よい。
さて、展示品や会場で子どもたちをくぎ付けにする一周8メートルのNゲージのレイアウトには、以前も紹介した20年余りにわたって聖地巡礼を行っているグループ・田切ネットワークが協力。初日から国鉄の法被を着て自ら展示品になっていた田切ネットワークの代表・中尾一樹さんは「下山ダッシュはJRでも認知されていて、下山村駅~伊那上郷駅間で荷物が車内に放置されていた場合、伊那上郷駅を過ぎるまでは、忘れ物として回収されることはない」「かつて『探偵!ナイトスクープ』に登場したのも田切ネットワークのメンバーだったのだが、現在は音信不通」といったマニアックなネタまでを来場者に解説していた。
なお、写真でもわかるように未完成に見えるレイアウトだが、期間中を通じて来場者にも家の模型を作ってもらい、伊那の町を完成させていく予定だという。もっとも、伊那の町と言いながら「西園寺ツーリスト伊奈支店」はともかく「藤原とうふ店」と書かれた建物模型や、サザエさんの家らしきものも混じっていたり……遊び心がいっぱいだ。
にわかには信じがたい……恐るべし伊那市民!。
今回の展示会のもう一つの目玉となるのが、飯田線人間すごろく」。これも、今回の取材でぜひ体験してレポートしようと思ったのだが、会場にはすごろくの影も形もなかった。なんでも、初日に設置予定だったが積雪のために断念。2月中は、まだ積雪の予報があるため、もう少し暖かくなってから設置する予定だとか。
このように「光画部」のごときユルさで彩られた展示会。単に展示をするのではなく、それが進化していくというのも、重要なポイントだ。創造館では期間中を通じて、地元の人々や鉄道ファンから飯田線に関する品物の提供を求めている。取材当日にも、地元の人から、鉄道ファンでもほとんど見たことのない硬券の見本帳が持ち込まれたり、ファンが今は亡き「佐久間レールパーク」の思い出の品を持参する場面も。これらも、すぐに展示物に加えられた。つまり、この展示会、一度訪れて満足ではなく、何度も訪れる価値があるものなのだ。3月末までの会期中に、どれだけ進化するのか、大変期待している。
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