Facebookグラフ検索で、知らぬ間に自分が危険人物に?トラブル防止策を伝授!
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
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Facebookグラフ検索で、知らぬ間に自分が危険人物に?トラブル防止策を伝授! – Business Journal(2月15日)
●「グラフ検索」がFacebookを変える?
将来的に実装されるFacebookの新機能「グラフ検索」が、依然として大きな問題となっている。この機能は2013年1月のプレスイベントで発表され、現時点ではアメリカの一部のβテスターのみによる試験運用中だ。この機能を端的に言えば、人、写真、場所、興味などの要素をベースに、「近所に住んでいる人」「自分の好きな映画を好きな人」といったキーワードで人物の検索ができるという、新しい検索の仕組みだ。
グラフ検索は2013年2月の段階で試験運用中で、アメリカで一部のユーザーによるβテスト段階にある。このためFacebookが提供する情報と、アメリカのβテスターの情報を元に解説していることを最初にお断りしておく。日本での開始時期は未定だが、Facebookの目玉機能であるだけに、近いうちに日本に上陸するのはほぼ間違いない。
グラフ検索を知るには、Facebookが用意しているデモページにアクセスするのが手っ取り早い。ここでは「虫眼鏡」マークの後に入力したキーワードで検索するとどのような結果が表示されるかが、自動的に映し出されている。「友達がいいね!といった写真」「サイクリングが好きな人」「友達がいいね!といった音楽」など、さまざまな検索結果が自動で表示される。
友達やFacebookページ、アプリやスポットの検索など、限定的な検索しかできない従来のFacebook検索とは一線を画することがわかるだろう。自分と同じ趣味を持つ人を探したり、近くに住んでいて独身の異性を探す、といった、これまでのSNSにはなかった検索の「新領域」に踏み込んだ機能だ。
この検索機能のベースとなるのは、自分の「友達」がプロフィールに登録した学歴勤務先情報、これまでに住んだ場所や現在の居住地、誕生日、および、「いいね!」したFacebookページやほかの友達の発言、写真などの情報など、多岐にわたる。たとえば、気の合った仲間とさらなる親交を深めたり、恋人探し、人気のあるスポット探しなど、さまざまな用途に使える。友達同士の交流も活発化するだろう。
「サイクリングが好きで出身地が同じ人」など、かなり複雑な条件で人物を検索できる
●自分が勝手に分析され、何もかもが赤裸に?
しかし、グラフ検索はこのようなポジティブな使い方ばかりでなく、ネガティブな使い方も可能だ。そのリアルな姿は、グラフ検索が発表されて間もない2013年1月13日に、Tom Scott氏が自身のTumblrで公開した「Actual Facebook Graph Searches」というポストを見れば一目瞭然だ。
そこには「売春を好む既婚者」「人種差別主義者を好む企業」「中国政府が禁止し、弾圧を行っている『法輪功』が好きな中国人」といった、かなりブラックな検索結果もたちどころに表示してしまうことが示されている。
どのような仕組みで検索結果が表示されるのか、その詳細は明らかにされていない。また、現在はβテスト中であり、実際のリリース時には大幅に仕様が変わっているかもしれない。だが、この検索は、単に自分がプロフィールに掲載している情報だけをベースにしているものではないことは明らかだ。
これは推測に過ぎないが、ユーザーが「いいね!」したり、自ら投稿した内容や、コメント、交友関係、過去に実行した検索内容などを分析し、膨大なデータを分析してこのような検索ができるようになっていることが想定される。もちろん、Facebookの「重要な」コンテンツである広告データへの「いいね!」も対象だ。
この推測が正しければ、ユーザがどのような人間で、どのような趣味・趣向や信条、宗教や政治観、倫理観などを持っていて、どのような企業や団体を好ましく思っているのか、これまでのFacebook上のアクティビティすべてが解析され、検索できてしまう。これだけでも恐ろしいが、もっと恐ろしいのは、Facebookのシステムが自分の本当の姿とは異なる分析を行い、勝手に本来の自分とは違う人物像に仕立て上げられてしまう可能性があることだ。
「近所に住む独身女性で、男性に興味があり酔っ払うのが好きな人」「既婚者で売春を好む人」
という検索を実行した結果、合致する人が多数表示されてしまっている
●根本的な対策は「アクティビティログ」を洗うこと
Facebookでは、グラフ検索の公開範囲はユーザーが設定したプライバシー設定に基づくもので、この条件を超えて検索されることはない、と説明している。だが、Facebook社や「Actual Facebook Graph Searches」の検索結果には「友達になる」ボタンが付いているものもある。そのユーザーが情報の公開範囲を間違って設定しているか、あるいは、システム的に見えてしまうものがあるのかは不明だ。
自分のアクティビティがFacebookに蓄積されている限り、どこから情報が漏れるかわからないし、誰かがその情報をオフラインで誰かに伝えるかもしれない。しかも、何年も前に投稿したり「いいね!」した情報の公開範囲など、普通は忘れていて当然だろう。
Facebook社がプライバシー設定の仕様を変更してしまうことも懸念される。これまで、Facebookは予告なしにさまざまな仕様を変更してきた。
たとえば、「プライバシー設定とツール」画面には、昔は「あなたのタイムラインを氏名で検索できる人」という項目があり、公開範囲を設定できた。しかし、いつのまにかその設定項目が消えているのだ。このように、グラフ検索を有効に機能させるため、さらにFacebookのプライバシー設定が変更される……という可能性も否定できない。
グラフ検索で自分が意図しない人物として検索されないように、あるいは、勢いで投稿したり「いいね!」してしまった恥ずかしい(?)過去が掘り起こされないようにするための根本的な方策は、「アクティビティログ」を表示し、過去の行動をすべて洗い出すことしかない。
プロフィールページの「アクティビティ」をクリックすると、自分のFacebook上での全行動が表示される。アクティビティログのページでは、左から表示したい項目を選び、右から年月を選択する。なお、筆者の環境では「すべて」を選んでいても表示されないものもあり、「自分の投稿」「いいね!」などの各項目を選んで表示させたほうが確実と思われた。そこには、膨大な行動記録が蓄積されているのに驚くことだろう。
「アクティビティログ」には自分の投稿やコメント、「いいね!」したFacebookページや
記事、写真などの情報、連携アプリからの投稿などあらゆる情報が表示される。
右の鉛筆アイコンをクリックして不要な情報は削除しておこう
実は、これこそがグラフ検索のための重要なデータベースなのだ。脊髄反射的に「いいね!」してしまった項目や、不用意に発言したコメント、写真や位置情報、連携するTwitterやTumblrの書き込み……。これらをチェックし、不必要だと思われるものはしっかりと「大掃除」しておこう。ちなみに、この作業は大変に時間がかかる。かなり面倒だが、グラフ検索上陸前にじっくりやっておくことをおすすめする。
(文=池田冬彦)
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