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“ヘルバイク”にまたがった孤高のダークヒーローが帰ってきた!『ゴーストライダー2』

nightridar.jpg(c)2012 Columbia Pictures Industries, Inc. All Right Reserved.

 今週紹介する洋画2本は、ハリウッド映画としては中規模の予算だが、作り手とキャストの愛情がたっぷり込められファンの期待にしっかり応えてくれる快作だ(いずれも2月8日公開)。

 1本目の『ムーンライズ・キングダム』は、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)や『ライフ・アクアティック』(05)などで壊れかけた家族や仲間たちが繰り広げる冒険や騒動を、箱庭的映像世界で描き続けるウェス・アンダーソン監督の最新作。1960年代の米東海岸ニューイングランド島で、それぞれ環境になじめず孤独を抱えていた12歳の少年サムと少女スージーが行方不明に。2人は演劇の発表会で出会ってから、1年間の文通を経て駆け落ちを決行したのだった。島で唯一の警官であるシャープ警部や、サムが所属するボーイスカウトのウォード隊長、スージーの両親らは2人を追い、引き離そうとするが……。


 タイトルの意味は「月が昇る王国」。全編を通じて映像を黄色っぽく処理し、日中も月に照らし出されているかのような、ノスタルジックでおとぎ話のような雰囲気を演出。ウェス作品では初顔のブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンら名優陣も、「スター然」とした輝きを抑えて月明かりの箱庭世界の住人になりきり、本作が映画デビューとなるサム役ジャレッド・ギルマンとスージー役カーラ・ヘイワードのキュートな2人を引き立てる。蟻の巣の水槽を観察するような監督定番のシークエンスの冒頭から、タイトルの秘密が明かされるラストまで、秘境の楽園のように美しく愛らしい本作。『小さな恋のメロディ』(71)に心ときめかせた世代からの支持も集めそうだ。

 もう1本の『ゴーストライダー2』は、炎に包まれたガイコツという異色のアメコミヒーローを、ニコラス・ケイジ主演で実写映画化した『ゴーストライダー』(07)の続編。父親を死から救うため冥界の魔王と契約し、自らの中に復讐の精霊“ゴーストライダー”を宿したジョニー(ケイジ)は、怒りや憎しみに呼応して突然出てくる闇の力に苦しんでいた。人里離れて暮らしていたジョニーは、ある日訪れた僧侶に依頼され、最強の悪魔が新たに取りつく体として狙っている少年を助けることになる。

 アメコミオタクを自認し、車やバイクなど乗り物が大好きなニコラス・ケイジが出演を切望したという本シリーズ。典型的なヒーローとは趣を異にするダークなキャラクターを嬉々として演じるケイジが、本作ではわれらが日本のヤマハ「VMAX」をカッ飛ばしている点もポイントだ。監督を務めたのは、『アドレナリン』シリーズのマーク・ネベルダインとブライアン・テイラーのコンビ。おどろおどろしい設定と激しいアクションの合間にシニカルな笑いも忍ばせる本作、ひねりの利いた勧善懲悪でスカッとしたいアクション映画ファンにオススメだ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ムーンライズ・キングダム』作品情報
<http://eiga.com/movie/58019/>

『ゴーストライダー2』作品情報
<http://eiga.com/movie/57826/>

最終更新:2013/02/08 18:00
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