『これでいいのか岡山県』取材で行った
美観地区だけじゃない──ビミョーなお楽しみスポット満載だった町・倉敷
2013/02/07 21:00
人の数は少ないものの、意外に営業している店は多い。
少なくとも、よいセンスであることは間違いない。
ここなら、どんな機械音痴でもパソコンお知識が増えそう。
なお、この地域のお土産は大手まんぢゅうではなく、藤戸まんぢゅうである。
……気を取り直して、ブラブラと町を散策してみるが、やっぱりウリにしているだけあって、街並みは昭和レトロな雰囲気に溢れている。人通りは少ないものの、営業中の店もけっこうあるし、どれも「昭和からやってますよ」感が半端ない。オシャレなカフェのようなものはもちろん、存在しない。
近年、都内でも商店街に無理矢理「江戸とか明治の街並みを再現しました」みたいな形で、町おこしを行っている地域もある。ところが、この商店街にはそうした無理矢理な感じがまったくない。ただ、今まで通りにやっているだけなのだ。レトロさをウリにした土産物屋があるわけでもなく、生活感があって心地よい。でも、たまたま見つけた饅頭屋で観光客も増えているのかと聞いてみると
「ぼちぼちですねえ」
と、まったく気のない返事が。
レトロ感をウリにしながら、ちとやる気がないようにも見えるこの町。でも、考えてみれば、レトロな雰囲気を「再現」して観光客を呼び込もうとしている町は、イヤらしい感じがプンプンする(都内にも、東海道の雰囲気を再現と銘打って店の看板や屋根を江戸時代風にした、ちょっと無理のある商店街が)。生活のために古いモノが取り壊されるのも、暮らしている人々がいるからこそ。こっちのほうがリアルでいいのかも。
(文=昼間たかし)
最終更新:2013/02/07 21:00
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