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汚れてでも勝ち抜け!――ヤクザに学ぶ最強ビジネス本『ブラック・マネジメント』

 さすがにこれを一般企業で真似すると上司から怒られそうだが、この手法を表社会でどう活用すればいいのかをちゃんと指南しているところがこの本の特色といえるだろう。特にビジネススキルと融合したノウハウに昇華させる際に何が重要か、自分をどういったキャラクターに設定すべきか、その設定を数年後にどのように変化させていくかなど、読んでいると自分でもできそうに思えてくるから不思議なものだ。

■「汚い手段」と言われても勝ち抜け!

 ディズニースタッフにキャビンアテンダント、果てはAV女優まで。ビジネス書では他業種の実体験に基づいた成功ノウハウ本が多く刊行されている。ある道を極めた人間の成功体験であれば、そこには必ず何かしら読者にフィードバックできるような含蓄が語られているだろうと皆が期待するからだ。

 しかし、ビジネスが扱う最大の要求が「金(利益)」である以上、綺麗事や遠慮は無用だ。「笑顔で人のために」「いつかあなたの努力に気付く人が」みたいな上滑りの言葉で綴られたノウハウなんて役立つはずがない。

 もちろん、ブラック・マネジメントだけに違法すれすれの手法も中にはある。しかしながら、今の厳しいビジネスシーンを勝ち抜くためにはある程度手を汚すことも必要だ。
本書を読むと、今属している会社生活が安穏とした場ではなく、シノギを削る戦いの場だということに改めて気付かされるだろう。しかし、表社会でタマ(命)を取られるようなことはないから、覚悟が決まったらどんどんブラック・マネジメントを実践すべし!
(文=七井恵理)

最終更新:2013/02/06 21:00
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