あの重大事件の犯人たちは今……赤軍、オウム、林真須美ら死刑囚78人の肉筆
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
死刑制度についても聞いている。
「死刑は残虐な刑罰にはならないと云うのであれば、また8割の国民が制度存続を認めていると云うのであれば、刑を公開すれば良い」(小林正人・大阪・愛知・岐阜連続リンチ事件)
「死刑は都合の悪い者は殺してもいいという殺人を肯定する意識を国民に植え付け、殺人や暴力を助長する」(林泰男・地下鉄サリン事件など)
「死刑囚は被害者でもない刑務官によって殺されるのは頭に気(ママ)ます。被害者の立ち会いで執行ならかまいません」(西川正勝・女性4人殺人)
死後に臓器提供したいのに、そうできない現行制度を批判する者もいる。
「私は自分の臓器などを提供するドナー登録をしているのですが、現行の法律では死刑囚の臓器提供はできないようになっていますので、その点を変えていただけたら」(松田幸則・熊本男女強盗殺人)
ポストはこう結んでいる。
「国家の名の下に人の命を強制的に奪い去る死刑は最高度の権力行使である。だが、この国ではその実態が極度に隠されている。そして、死刑囚たちは単なる凶悪非道なモンスターではない。死刑制度を是とするにせよ、非とするにせよ、本特集のアンケートをじっくり読んで欲しい。議論はそこから始まる」
重い特集ではあるが、多くの人に読んでほしいものである。これが今週の第2位。
今週のグランプリは、文春の桜宮高校の体罰問題を追った巻頭特集。
これまで桜宮高校で起きた自殺問題は、体罰が原因と報じられてきた。橋下徹大阪市長もそう主張してきたが、文春は「日常的に体罰を行っていたというK顧問が処分されるのは当然」としながら、A君は他にも重大な悩みを抱えていたというのだ。
大阪市立桜宮高校で、自殺したA君と付き合いの深かった同級生がこう語っている。
「Aが亡くなったとき、実はバスケ部員たちは、『先生の体罰が原因じゃない』と言っていた。Aには他にもっと悩んでいることがあったから」
桜宮高校関係者はこの問題が起こった後、こんなことが起きていると嘆く。
「市長が『桜宮は腐っている』と煽るので、運動部と関係のない普通科の子までが桜宮というだけでバスに乗せてもらえなかったり、通学途中に罵声を浴びたりしておるんです。校舎の窓には投石され、自転車も嫌がらせでパンクさせられるといういわれのない差別がある現状を知ってほしい」
橋下市長はワイドショーなどに出て「この学校では暴行が常態化していて、それが原因で一人の生徒が自殺している。こんな学校をそのまま継続させるような価値判断はやっちゃいけない」という主張を繰り返しているが、どこまで桜宮高校の実情を知っているのか、これを読むと疑念が湧いてくる。
バスケット部のOBは、こんなことを語っている。
「A君のお母さんはバスケ経験者で、K先生の一種の信奉者でした。保護者の間で、K先生の指導法を一番と言っていいほど容認していました。他のお母さんが『一発でも、手を出したら体罰じゃないの』とK先生に抗議しようとしたとき、『桜宮のバスケ部に入ってきた以上、覚悟があるはずでしょう』『厳しい指導は承知で入部してきたんじゃないの』などと先頭に立って諌めたこともあります」
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