「コンサートは無料が当たり前」BoA母国での単独ライブは“初めて”の裏事情
#韓国
韓国出身の歌手BoAが26、27日の2日間にわたりソウル・オリンピック公園オリンピックホールで行ったコンサートの模様を、28日付の韓国有力紙「中央日報」が伝えている。記事の中では、6,000人のファンの前で自身が作詞作曲した新曲を披露したことなどに触れられているが、意外にも14歳でデビューして以来、13年間のキャリアの中で今回が母国では初の単独コンサートだったという。K-POPブームに先がけて、いち早く日本で人気を集め、韓国でも「ワールドスター」「アジアの星」と称されるなど、同じ事務所の東方神起や少女時代とは別格の大スターであるBoAが初の単独ライブとはどういうことなのか?
「スポンサー主催の無料イベントが多いこともあってか、コンサートやライブはタダというのが、韓国では一般的な認識。お金を払ってまでコンサートを観ようという熱心な客はごく少数なので、よほどの集客力があるアーティストでない限り、有料の単独コンサートなんて開けないわけです。だから、あのBoAですら、デビュー13年で初めて単独ライブができたぐらい。韓国でコンサートといえば、SMエンターテインメントのような大手プロダクションが所属アーティストを集めて行うイベントのようなものが主流です」(K-POP雑誌ライター)
「江南スタイル」が米ビルボードチャートで2位を記録したPSYですらも、昨年10月に8万人の観衆を集めてソウル市庁舎前で行ったコンサートは無料だった。また同じく昨年、有料のコンサートツアーを行う予定だったヒップホップデュオのUVがチケットの売れ行き不振のために急遽、無料コンサートに切り替えたこともあった。
「言い換えれば、単独ライブを開催できるのは、アーティストにとってそれだけステータスだということでもあります。同じ事務所の後輩である東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINeeらはすでに韓国での単独ライブを経験済みだったので、BoAとしてもこれまで内心忸怩たる思いがあったはず。それだけに、今回の初ライブは感激もひとしおだったのではないでしょうか。しかし、アーティストが有料で単独ライブを開催できない現状は、韓国の音楽ビジネスが未成熟であることを露呈したものだといえます」(同)
韓国が、日本をはじめ海外での“ブーム作り”を国家規模で推し進める裏には、こうした自国の音楽マーケットの貧弱な実情があるようだ。
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