「ランキングは顔も知らない人ばかり……」この10年で音楽界に何があったのか!?
#音楽
『CDTV』(1月19日放送分=TBS系)において、「今週のヒットチャート」と、「今週のライブラリ」で登場した「2003年1月18日CDTVランキング」とを見比べて、驚いたことがある。
「今週のヒットチャート」では、1位の山田涼介「ミステリーヴァージン」、2位のONE OK ROCK「Deeper Deeper」、3位のゆず「REASON」に続き、BABYMETAL、岩佐美咲、Cheeky Paradeなどの名前が連なっている。正直、「顔も曲もまったく知らない人が一部いる」なんて人も、いるのではないだろうか?
それに対し、10年前の2003年はというと、9位に平井堅「大きな古時計」、8位に夏川りみ「涙そうそう」、7位にMr.Children「HERO」、6位に一青窈「もらい泣き」があるほか、BUCK-TICK、Every Little Thingなどもランクイン。さらに、1位は中島みゆきの「地上の星」だった。あらためて見ると、10年前の冬は、アーティストも曲自体も、ずいぶんキャラが立っていて、有名な人ばかりではないか。
それでいて、小室哲哉も、つんく♂も、秋元康もあまり存在感を示していない、稀有な時期にも見える。
03年って、どんな年だったのか? 03年に何があって、その後、あまり曲が売れなくなってしまったのか?
音楽業界関係者に聞いた。
「00年代にIT革命が起こり、ITバブル崩壊といわれるまでの10年ほどの時期に、実は音楽業界は賑わっていました。アップルコンピュータがアメリカでiTunes Music Store(現iTunes Store)を開始したのも03年ですし、アップル社がiPodの人気をきっかけに、有料音楽配信に力を注ぐようになったのも、この頃から。また、携帯電話を使った『着うた』が各社で取り入れられていったのも、02~04年頃からでした」
ちなみに、日本ではエイベックスが02年にコピーコントロールCDを採用したものの、03年のミリオンセラーを記録したシングルCD2枚(03年オリコン調べ:宇多田ヒカル、SMAP「世界に一つだけの花」)はどちらもコピーコントロールCDではなかった。そうした経緯もあり、コピーコントロールCDは短命で事実上消滅した形となっている。
その一方で、CD売上が減少した大きな理由として、音楽配信の影響が挙げられる。
05年上半期には、世界のレコード業界全体の売上の6%をデジタル販売が占め、前年の3倍超に急増。また日本でも、07年に宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」の音楽配信が総計700万ダウンロードを突破。このあたりから、CDよりもダウンロードが主流になったといわれている。
実際、日本レコード協会の「2007 年度音楽メディアユーザー実態調査報告書」によれば、半年間におけるCDアルバムの購入枚数は、全体で2.43枚(03年)から2.04枚(07年)へ減少しているというデータもある(2009年5月経済産業省「音楽産業のビジネスモデル研究会報告書」)。
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