“iPS細胞お騒がせ男”森口尚史が騒動の裏を暴露「真実を言うと私は米軍に葬られるかもしれない」
──12年10月、読売新聞により「iPS細胞を使った世界初の心筋移植手術を6例実施した」と大々的に報じられた森口氏。ところがすぐに多くの疑義が提起され、同新聞は「森口氏の説明は虚偽」とし、一連の記事を誤報とした。すると、森口氏は世間から猛バッシングを受け、ボロボロに。しかし、「もう黙ってはいられない。大学もマスコミもふざけるな」と森口氏は反撃の狼煙を上げた!
──そもそも今回の騒動の発端ってなんだと思いますか?
森口 私の「お調子者」の部分が災いしたんでしょうね。
──「成功した手術は1例だけ」とおっしゃってますが、その1例目すら疑われていますよね。
森口 実は、今回の研究プロジェクトは米軍がらみの某団体から助成金をもらってやっていたんです。1例目の手術は11年6月2日に行われて、我々のチームとしては、その6カ月後、要は11年の年末に患者さんの容体が安定していたら公表するつもりでしたが、関係者は「まだ出すな」と。それで、今年の8月くらいにあらためて「公表してもいいか?」って言ったら、また「ちょっと待て」と。
──それはなぜ?
森口 たぶん2例目はまだしも、3例目の患者さんの具合が必ずしも順調ではないようだからまだ機密にしておきたかったのでしょう。ただ「待った」がかかったとき「お前の研究者としてのキャリアを考えたとき、どうやってヒトiPS細胞から良質な心筋細胞を大量培養できたのかをメインに1例目についてだけは話していい」と言われた。なのに、つい読売新聞に「6例ある」って今後の予定も含めて口走っちゃった。で、軍からすれば「森口はフライングしたのでは?」となって、ハーバード大も「そんな臨床例はない」と言い出した、と(笑)。
──iPS細胞の研究に軍が?
森口 iPS研究も含めて(軍にとって役立ちそうな)医学研究には軍から金が提供されることがよくある。一方、今回の手術の黒幕は臓器移植・再生医療のシンジケートと軍ですけれど、莫大なカネのかかる手術だから、彼らの顧客は権力層の人間が多い。今は小さな市場だけど、うまくいけば今後、移植手術は不必要になるほどの潜在力がある。今回の研究は「1例目はよかったけど、3例目は、どうも芳しくない結果」であるということが明らかになったら、軍やシンジケートにとっては都合が悪い。だから「黙らせろ」となったんでしょうね。また、世間からいまだに誤解されてるところなんですけど、私は直接手術はしてないんですよ。私の仕事は肝臓の前駆細胞に特殊な薬をかけてヒトiPS細胞を作って、そこから良質な心筋細胞を作って大量培養すること。11年の5月半ばにハーバード大の臨床チームが「亡くなりそうな患者さんがいるから、お前が作った良質な心筋細胞を移植に使わせてほしい」と言ってきたので供与しただけ。ただ、手術には立ち会いましたよ。十分に培養された心筋細胞が入った容器に付与されたロットナンバーと手術室にある注射器に書かれたナンバーが一致しているかなどを確認して、あとは見ているだけでした。
──その病院が地図から消えていたらしいですが……。
森口 信じられないでしょうが、最近、Googleアースで調べたら更地だったんですよ!
──あとチームのメンバーの名前も一部公表していません。
森口 彼らの安否を気遣ってのことなんです。私が軍関係者で今のような状況なら、治療や研究に携わった人々をめぐって、殺しはしないまでも口封じをするだろうし。実際、不都合な真実を明かした私が大学やメディアから社会的な制裁を食らってるわけですから。
──今後も名前は明かさない?
森口 名前を公表すれば私が消される可能性は高いでしょう。しかし、自分の身の潔白を証明するためには、学術論文や本を出して明らかにすると決めました。それに今回の成果は重い心臓病の方々にとって希望になる。今回のヒトiPS細胞由来の心筋細胞移植は、現状では治療方法がない患者さんに一刻も早く役立つようにと、米国の優秀な臨床チームと共に「覚悟」を持って開発し、実行したものです。この騒動によって「私が患者さんをぬか喜びさせ、絶望に突き落とした」と言われるのは事実と異なり悔しい。ただ、ほかの優秀な研究者らが、非常に近いうちに我々の方法よりもさらに有効性や安全性が高い方法を開発し、臨床で実践してくださるはず。患者さんにおかれましては、その日まで現状でのベストの治療を受けられつつ、まだ希望を捨てずに生きてください!
(構成/成松 哲)
森口尚史(もりぐち・ひさし)
1964年、奈良県生まれ。東京医科歯科大学卒業。学術博士(東京大学)。元東京大学先端科学技術研究センター特任教授。カラオケの十八番は、尾崎豊の「I Love You」。
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