電撃トレードのオリックス糸井嘉男外野手に同情論が噴出 来季メジャー絶望は“妥当”か“横暴”か
北海道日本ハムファイターズ スター」
23日、プロ野球・日本ハムとオリックスの両球団がトレード成立を発表。日本ハムは糸井嘉男外野手、八木智哉投手を放出し、オリックスから木佐貫洋投手、大引啓次内野手、赤田将吾外野手を獲得した。
球界でも珍しい大型トレードは大きな反響を呼び、特に昨年の日本ハムリーグ優勝の立役者ともいえる糸井の放出は、ファンならずとも驚きをもって受け止められている。
伏線はあった。
前日、糸井は代理人を通じて2013年シーズン後にポスティング制度を利用してメジャーリーグに移籍する意向を球団側に伝え、マスコミにもその情報を流していた。糸井の「来季メジャー」が既定路線として伝えられる中での突然のトレード成立は、糸井ら5選手にも、発表当日になってから知らされたという。
「移籍先のオリックス・村山良雄球団本部長は、糸井のメジャー移籍について、さっそく『本人も1年目からそんなつもりはないでしょう』と封印を明言。これで少なくとも糸井の来季メジャーは絶望となった」(スポーツ紙記者)
これに、ネット上の掲示板などでは議論が紛糾。メジャー移籍を“潰された”形となった糸井に対して同情論が噴出し、のちに糸井のほうから日本ハム側に「来季メジャーが不可能なら国内移籍を」と申し出ていたことが伝えられても、「人権無視」「野球界には職業選択の自由はないのか」「球団の横暴を許すな」などの意見が書き込まれ、騒動が収まる気配はない。
糸井が自由に海外移籍できるフリーエージェント(FA)の権利を獲得できるのは、順調に試合出場をこなしても2017年シーズン。現在32歳の糸井にとって、それはあまりにも遠い未来といえる。
「全盛期で海を渡りたい気持ちは理解できますし、不公平とも見えるかもしれない。しかし実際には、今でこそ一流の成績を上げている糸井も、レギュラーとして機能したのはわずか4年。しかも、プロ入り時に“希望する球団に入れる制度”である自由枠を使って入団しているわけですから、ほかの選手よりも制度の恩恵にあずかってきた側です。ポスティング制度やFA制度にも歪みはありますが、プロ野球は契約にのっとったビジネスの世界。客観的に見て、現状、糸井の移籍が容認されるべき根拠はひとつもありませんよ」(同)
だが、地上波での放送が激減し、球場への入場者も年々減少しているプロ野球界。問題の是非はどうあれ、今回のようにファン感情にそぐわない動きが続けば、右肩下がりは止まらないだろう。
「来年か再来年には、マーくん(楽天・田中将大投手)もメジャーでしょう。どれだけ人気と実力を兼ね備えたスター選手を育てても、全盛期に退団されてしまっては球団側もなすすべがない。それでも、“より高いレベルへ”“より高額の報酬を”という選手の向上心は、根本的には止められませんからね」(同)
日本のプロ野球は、出口のない迷路にはまり込んでしまったのかもしれない。
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