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Adobe CS2無料騒動のカラクリ…使うとNG?実はトクじゃない?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

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Adobe CS2無料騒動のカラクリ…使うとNG?実はトクじゃない? – Business Journal(1月21日)

「アドビ システムズ HP」より

 1月8日の深夜、Twitterや2ちゃんねるで「Adobe CS2がタダで手に入る」という話が一斉に広がった。一時はダウンロードサーバが混雑してメンテナンス中表示となるなど、大いに盛り上がった。

 そもそも「Adobe CS」とは何かといえば、Adobeが提供しているクリエイティブな開発現場向けアプリケーション群をセットにしたパッケージのことだ。フォトレタッチソフト「Phtoshop」シリーズが最も有名だろう。1本単位で購入すればそれぞれ数万円するものが、パッケージ化されて割安で購入できるようになっているのだが、それでも価格は高額だ。

 最新版であるCS6の全部入りパッケージ「Adobe Creative Suite 6 Master Collection」の定価は33万4950円。もしこれが無料になるのならば、多くの人が色めき立つのもムリはない。

 しかし、本当にそんなことがあるのだろうか?

●Adobe CS2が無料でダウンロード&インストールできるのは本当

 実際に、Adobe CS2に含まれるすべてのアプリケーションが、誰でも無料でダウンロードでき、インストールして利用することもできる。これは別に、何かのミスで一晩だけ公開されてしまっていたというわけでもない。

 ダウンロードにあたってはAdobe IDというものが必要だが、これは無料で登録できる。リストにはPhotoshop、InDesign、Illustrator、Acrobatといった多くの人が欲しがりそうなものはばっちり揃っている。日本語版のプログラムも用意されており、インストール時に入力するシリアルナンバーも添えられているという親切さだ。

 また、公式にはWindows XPまでしかサポートされていないようだが、実際にはWindows 7でもほとんどのアプリケーションが動く。2005年にリリースされたものとはいえ、機能的にはとても無料で利用できるようなものではない。

●Adobe側としては「無料公開のつもりはない」らしい

 無料公開された理由は「CS2用のアクティベーションサーバを停止するから」だそうだ。Adobe製品はインストールする時、インターネットに接続してシリアルナンバーを入力し、正規ユーザーであることを確認する「アクティベーション」作業が必要だ。その作業を担当するサーバが停止するということは、正規のCS2ユーザーも再インストールができなくなってしまうという意味になる。

 古いアプリケーションではあるが、使い続けるユーザーもいる中で再インストールができない状態で放置というわけにはいかない。そこで「アクティベーションできなくても、インストールできるように専用のプログラムファイルとシリアルナンバーをここに置いておきますね」という意味で公開されたのが、今回の無料配布騒ぎの元となったものだ。

 つまり、あくまでも「CS2の正規ユーザーのために」用意されたものであり、「誰でも持って行ってOK」なものではない。ただこの言い分が公開時には添えられていなかったため、ニュースサイト等でも「無料でダウンロード、インストールできる」ことだけが取り上げられ、広がった。

 現在ではダウンロードページにもその旨が表示されているし、各記事に正規ライセンスを持たないユーザーの利用は、ライセンス違反となり得るという記述が追加されている

●結局使っていいのか?

 Adobeといえば、アプリケーションの不正利用摘発に熱心な企業というイメージがある。そんな企業の行動としてはどうもおかしな印象だが、結局このCS2をダウンロードしてインストールすると捕まったりするのだろうか?

 個人的な見解だが、個人でちょこちょこ使っている分には問題にならなそうだ。公開当初に注意事項を添えていなかったのだから、Twitter等で第一報を聞いて即座にダウンロードを済ませてしまった人の中には、そんな事情を知らない人もいるだろう。そうでなくとも、いくらでもタダで持って行ける環境を放置しておきながら、実際に使った人は厳しく取り締まるというのはアンバランスだ。

 また、技術的に取り締まりが難しいという事情もある。仕事で使うなどというのはダメだろうが、家庭での小規模な利用については、あくまでもユーザーの倫理観次第だということになるだろう。堂々と使っていていいというものではないが、見つかれば即座に賠償金がどうこうというような話ではなさそうだ。

●もしかしたら宣伝?という声も

 それにしても、Adobeの行動は不自然だ。「使うなよ?」と言いながら引き続き丸裸で置いておくという、ジョークのような状況になっている。そもそも、本気で正規ユーザーだけに配布したいならば、正規シリアルコードを入力したユーザーのみ、ダウンロードページにアクセスできるなどの措置が考えられるはずだ。

 あまりにも不自然な状況に「実は、これは宣伝の一環ではないか?」「他の類似アプリケーションをつぶす気なのではないか?」という人もいるが、もともとの思惑は別として、確かに宣伝にはなっていそうだ。今回の騒ぎで初めてAdobe CSシリーズに触れたという人もいるだろう。

 ただ、もし少し触れてみて気に入ったとしても、使い続けることはあまりお勧めしない。AdobeのCSシリーズはバージョンごとにいろいろな癖があるが、CS2もかなり癖のあったバージョンで、きちんとした印刷用データなどをつくるにはコツがある。しかし、そんなことを紹介してくれるサイトや本も今ではあまりないし、何より最新バージョンとは機能にもだいぶ差がある。

 お高いだけにプロ向きな機能が満載されたCSシリーズの各種アプリケーションは、まったくの素人がなんとなく触って使いこなせるという代物ではない。

 一方、わりと簡単に感覚的に使える部分が多いPhotoshopに関しては、廉価版のAdobe Photoshop Elementsが用意されている。こちらは最新版の定価が1万5540円と比較的安価に入手できる。

 違反かも? 叱られるかも? とドキドキしながら古いものを使うより、こちらを使ったほうが賢明だろう。
(文=エースラッシュ)

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最終更新:2013/01/23 07:00
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