レジェンド桜庭和志もジム閉鎖でプロレスに流出……日本の総合格闘技はどこへいくのか
#格闘技 #プロレス
新日本プロレスが、今年1月4日に開催された毎年恒例の東京ドーム大会で、2万9,000人の観客を動員したことを発表した。
「今年初めて実数を発表したが、今年が一番客入りが良かっただけに、入っていない年は2万人も入らなかった可能性がある。数年前なんかは、試合前日に秋葉原で入場券を大量にバラまいても客が入らなかったほど。観客動員数が冷え込むプロレス界だが、いまや新日の“1人勝ち”状態になってしまった」(長年ドーム大会を取材しているプロレスライター)
集客にかなりの効果を上げたと思われるのが、ダブルメインイベントで中邑真輔とIWGPインターコンチネンタル選手権を行った桜庭和志。最後は中邑の得意技「ボマイェ」でマットに沈んだが、総合格闘技のリングで磨いた打撃技・関節技を駆使した試合展開で、中邑を追い込み場内を沸かせた。そんな桜庭、すでに総合のリングに見切りをつけてしまったようだ。
「10年と11年は総合格闘技イベント・DREAMのリングで4戦全敗だったのに加え、DREAM自体が経営難で定期的に開催することができなくなってしまった。おまけに、都内に開設していた総合格闘技ジムも、昨年12月の頭に閉鎖に追い込まれた。それでも、妻と3人の子どもを養っていかなければならない桜庭は、昨年8月に新日への参戦を表明。もともとプロレスセンスがあり、見事に適応し観客を沸かせている」(格闘技ライター)
桜庭といえば、かつて、PRIDEのリングでグレイシー柔術のホイス・グレイシーを完膚なきまでに叩きのめして一躍名を上げ、いまや格闘技界の“レジェンド”的な存在となっているにもかかわらず、プロレスのリングに上がっている状況。もはや、日本の総合格闘技界に明るい未来はないということを意味している、と見る筋もある。
「昨年の大みそか、久しぶりにさいたまスーパーアリーナでDREMAMの興行が行われたが、セーム・シュルトやピーター・アーツらK-1の主力選手をごっそり獲得した世界的なキックボクシング団体・GLORYの傘下に入っての開催だったため、総合格闘技は完全に前座扱い。そもそもDREAMの主力選手たちには上がるリングがなく、この大みそかが昨年唯一の試合という選手も何人かいた。となると、目指すは今や名実ともに世界最高峰の総合格闘技団体となった米・UFCだが、レベルが高すぎてDREAMの主力クラスにはまったくお呼びがかならない。修斗、パンクラス、DEEPなど定期的に興行を開催している総合の団体は数あれど、ファイトマネーはたかが知れている」(同)
3月には昨年に続いてUFCが日本大会を開催するが、日本でのUFC人気がアップすれば、そのうち日本の総合格闘技の選手もファンもそっくりUFCの波に飲み込まれてしまうことになりそうだ。
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