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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ディジュリドゥ奏者GOMA登場
『フラッシュバックメモリーズ』公開記念インタビュー

「繰り返し、繰り返し……」記憶を失った音楽家GOMAがたどり着いた、第2の人生のスタートライン

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――今回の作品では、事故から復帰するまでの道のりがGOMAさんと妻・純恵さんの日記を軸に描かれています。純恵さんと松江監督の信頼関係も必要だったと思いますが。

妻・純恵さん 松江監督はとても、笑顔が素敵な人だなと(笑)。空気感とか、この人だったら大丈夫、というのを最初にお会いした時に直観的に感じました。

――GOMAさんは撮影前から「人を元気にする映画にしたい」と話していたそうですが、最初に完成版を見た時は、いかがでしたか?

GOMA すごいエネルギーの塊だと思いました。それまでは失った記憶を埋めていくことに多くのエネルギーを使っていましたが、もうそんなことはしなくてもいい。今の自分にできることで、新しいものを作っていきたい。そういったことに日々のエネルギーを使いたいと思えるようになりました。やっと2回目の人生のスタート地点に立てるなという気持ちです。

――事故から約3年、ひとつの区切りがついた瞬間でもあったんですね。ここ10年ほどの記憶が消え、新しい記憶も維持するのが難しいそうですが、事故直後はどのような状態だったんですか?

GOMA  5分、10分前の記憶も消えていく、過去の写真を見ても、なぜその場所に自分がいて、笑っているのかがわからない状態でした。その頃のことは、ほとんど覚えていません。

――事故から3年がたちましたが、当初と比べると、どれくらい回復しているのですか?

GOMA 記憶障害について、自分で回復具合を感じるのは困難です。なぜなら、目で見えてわかるものではないし、回復したとしても、自分自身は前からそうだったように感じてしまうんです。家族が言うには、“記憶は1カ月は持たないけれど、1週間くらいならだいたい覚えていられる”と。

――GOMAさんは事故後、突然、緻密な点描画を描き始め、2010年夏には初の個展『記憶展』を開催されました。色鮮やかで自由なモチーフで描かれた絵画の数々は、突然異なる映像が頭の中に飛び込んでくる「フラッシュバック」という記憶障害の症状を表現する上でも、映画の中で重要な役割を果たしています。

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