大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態
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大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態 – Business Journal(1月9日)
Tホテルチェーンは宿泊オンリー、駅前立地という経営方針で急成長してきたビジネスホテルの最大手だが、何かと物議をかもす事件が相次ぐことでも知られる。
ここ数年だけでも、ホテルの駐車場をつぶしてロビーにするとか、身障者用の客室を会議室や倉庫に改造するという建築基準法を無視した違法行為が発覚。また、ホテルの地下から致死量を超える濃度の硫化水素ガスが発生して被害者を出したりもした。
ホテルの会員カード獲得のノルマを従業員に強要し、従業員の中には架空の人物のカードをつくって、自腹で発行手数料を負担している例もあった。東日本大震災の折には、宿泊客に対して、「地震で生ずる被害は自己責任であり、損害賠償を請求しない」という誓約書に署名させるなどの、とんでもない所業が問題となった。せこい話では、NHK受信料の未払いで訴訟沙汰になったこともある。
●宿泊料金を二重受領
そんなTホテルチェーンだが、最近また妙なウワサが流れている。
Sさん(48歳、会社経営)はある日、神奈川県内のJR駅前にあるTホテルに宿泊した。数日前に外資系法人の運営するホテル予約サイトで予約を入れ、銀行のデビットカードで決済を済ませておいた。ところが、当日チェックインしたところ、ホテルの従業員は「宿泊料金が未払いなので、この場で支払ってほしい」と言う。Sさんはフロントで言い合いになるのもどうかと思い、仕方なく支払ったが、どうも気に入らない。「予約時と宿泊時で二重払いではないか。予約時に決済した(すでに預金口座から引き落とされていた)お金はどうなっているか」と聞いたが、ホテル側は「それはカード会社のほうへ問い合わせてくれ」との一点張りだった。
その後、忙しさにかまけてその宿泊料金のことをすっかり忘れていたSさんだったが、数週間後に思い出して口座をチェックしたら、返金はされていなかった。そこでデビットカードを発行する銀行に問い合わせた。電話に出た担当者は、宿泊先のホテルから予約確定の連絡が入らないかぎり、返金は実行されないと説明した。普通は予約が入った翌日、少なくとも2〜3日以内に確定の連絡が来るという。
●態度を急変させた支配人
Sさんは、今度は宿泊したTホテルに電話すると、支配人が電話口に出た。宿泊費が二重払いになっているから返金してくれと伝えたが、相変わらずカード会社と話してくれと言う。「いや、カード会社は、ホテル側の手続きが必要だと言っている。このままでは明らかな二重払いを故意に返金しなかったということで、消費者団体に訴えるしかない」と主張すると、相手の態度がさすがに変わった。担当部署と相談するという。
業界関係者によれば、苦情が多すぎて対応が大変との理由で、Tホテルには苦情の窓口はなく、すべて支配人が処理するという仕組みのようだ。本件についても、支配人が予約管理を行う関連会社に問い合わせてみると言う。
実はTホテルチェーンは、カード決済で1度ならず事件を起こしている。最も大きかったのは、会員カード情報が大量に外部に漏れ、クレジットカード番号が通販ネットで不正に利用されたため、100万円程度の実害が生じたというものだ。
Sさんはこうしたやりとりを根気よく繰り返し、同ホテル社内でどういう判断になったかはわからないが、最初は2カ月後に返金するというホテル側の言い分をつっぱねて、最終的に2日後に返金させることができた。だが、SさんにはTホテルに対する不信感は拭えない。
「私が返金を申し出なかったら、ホテル側は放置したままだったと思う。ネット上でカード予約決済をするのは普通だから、私のような二重払いの客の申し出がなく、返金されないまま眠っていれば莫大な金額になる。いい加減な対応で済ませるわけにいかないのではないか」とSさんは憤慨する。
●利用客の苦情を無視するという怠慢
ここで提起された問題は2つある。まず決済と処理のタイムラグによって被る利用者の不利益だ。システムとして二重払いの負担を強いているホテル側の態度は、どう考えてもおかしい。考えようでは故意の悪用も不可能ではないだろう。次に、宿泊客が事実をつかんで抗議しても、一向に対応しないホテルスタッフ、および担当部署の怠慢だ。ホテルがサービス業であることを、一体どれだけの従業員が自覚しているのか疑問といわねばなるまい。
Tホテルの創業者兼前社長には、かつて数々の不祥事で火の粉を浴びながら放った、「時速60キロのところを、68キロくらいのスピード違反ならかまわないと思ってやっちゃった」という名言がある。
「この程度なら許されるだろう」という消費者軽視の態度は、問題視されてもおかしくない。
(文=岩崎寿次/ビジネスコラムニスト)
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