Google+、梅田彩佳現象、ネ申テレビ、大型新人衝撃降臨……AKB48の2012年5大革命&2013年展望

 一方、篠田チームAは若いメンバーが多いせいか、課題も見える。特にAKB48の原点である「桜の花びらたち」のAメロ、Bメロの腕の振りはシンプルなだけに、もう少し統一が必要だ。2005年、完成前のAKB48劇場で、この曲の16ビートを覚えることからAKB48のレッスンは始まった。だが今では、公演で同曲を披露しているSKE48の研究生、HKT48の研究生のほうが、振りが揃っている。この事実を受け止め、意思を統一し、進化の起爆剤とできるかが、新体制の課題だ。

 さて、今回のウェイティング公演は1チーム21~23人、公演に出られるのは16人で、5~7人は出られないのだ。事実、「第2回AKB48紅白対抗歌合戦」のチーム曲では、その場にいるのに出られないという、事実上のベンチ入りが如実になった。そんな状況下で、各チームが絆を育み、互いを高めあい、メンバーの成長と共に楽曲を入れ替え、セットリストが変化していくことも、注目したい公演だ。

■博多に芽吹いた可能性の萌芽・田島芽瑠 AKB48グループの未来を変える逸材の誕生

tashimamoe.jpgHKT48 OFFICAL WEB SITE

「花は散るからこそ美しい」

 前田敦子という“Flower”は自ら女優としての夢を追い、後進に席を譲った。彼女の好きな花はバラ。「内気な恥ずかしさ」「気まぐれな美しさ」「無邪気」を花言葉とするバラは、まさに彼女そのものだ。

 AKB48という花壇の一番日のあたる場所は、最も人目を引くのと同時に、常に批判にさらされる。そこには、真の覚悟を持った花か、純真無垢な新芽しか咲くことを許されない。かつて2008年に新芽としてその場に咲いたのは松井珠理奈。レコード会社の契約が終了し、流転するAKB48に、SKE48から選抜に電撃加入し、現在のブレイクの礎を作った。そして、2012年、絶対的エースが去る危機的状況の時にこそ、“中興の祖”たる存在は現れる。

 前田の卒業発表から3カ月後の2012年6月、その一大パラダイムシフトを起こす“Beginner”は、多くのタレントを輩出してきた福岡のHKT48に2期生として現れた。芽吹いたばかりの小さなつぼみの名前は、田島芽瑠(たしま・める)。

 フランス語で「海」を意味する「メル」に、可能性の萌芽を想起させる「芽」と、幸運をもたらす石・ラピスラズリを意味する瑠璃の「瑠」という漢字を組み合わせた希少な名前の12歳(加入当時)だった。

 研究生として活動を開始する中、AKB48「永遠プレッシャー」にHKT48初のオリジナル曲「初恋バタフライ」が収録されることとなった。そのセンターに抜擢されたのは1期生も飛び越えて、田島だった。同曲では、少女への淡い初恋が描かれ、「君は僕のflower」と表現される。新芽が小さな花を咲かせた瞬間だった。

 田島は「たくさんの人に元気を与える、ヒマワリのような存在になれたら」と語る。彼女は誰よりも太陽を受け成長し、咲き誇らなければならない運命を自覚していた。

 だが、彼女も突然、センターとしてすべてのファンから受け入れられるのは難しいのかもしれない。なぜなら、センターとは、センター以外のメンバー全員のファンをも納得させられる存在でなければならないからだ。瑠璃を用いたことわざ「瑠璃の光も磨きがら」のように、瑠璃が美しいのは磨くからであり、素質があっても修練を積まなければ大成しないのだ。

 そんな彼女が2013年、1月7日、13歳の誕生日を迎え、同日行われた公演での生誕祭で自ら作った「夢への一歩」と題した詩を読み上げた。仲間への思い、そして夢への熱意を込めながら、「気になる視線 気にする評価 迷子のよう」と苦悩もにじませた。秋元康氏から「10年に一人の逸材」と評され、周囲から特別視されるがゆえに、評価を気にし、観客に見守られながらも、迷子のような孤独や不安を抱えていたことも吐露したのだった。

 彼女のような逸材がHKT48に入り、AKB48にも14期として岡田奈々、前田美月など、将来有望な未完の大器が次々に加入した。人気が安定期に入り、劇場公演を通して、メンバーを育て、メディアや関連各所と協力して、多方面に活動し、芸能プロダクションに移籍させていく人材育成の方法論が整ったのだ。今後も各グループには全国各地から少女たちがAKB48を選んで加入していくだろう。「人気とは高さではなく、長さ」とも言われるとおり、AKB48グループは数十年、一定の人気をキープする存在となっていくはずだ。

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