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Google+、梅田彩佳現象、ネ申テレビ、大型新人衝撃降臨……AKB48の2012年5大革命&2013年展望

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(撮影=後藤秀二)

 激動の2012年を駆け抜けたAKB48。映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』公開、前田敦子電撃卒業発表、選抜総選挙での篠田麻里子の「潰すつもりで来てください」宣言、東京ドーム3days、海外移籍発表、じゃんけん選抜の島崎遥香優勝、ウェイティング公演開始、レコード大賞受賞など、さまざまな話題を振りまいた。そんなAKB48に起きた2012年の5大革命を、評論家・本城零次が独自視点で検証する。

■ネット上でも“会いに行けるアイドル”に Google+が教えたネットリテラシーと個性の磨き方

 SNSサイト・Google+(通称ぐぐたす)の登場は、AKB48グループに一大パラダイムシフトを起こした。メンバーの趣味を反映した部活が生まれ、美術部は展覧会を開いたほか、ぐぐたす選抜として楽曲「ぐぐたすの空」が誕生。

 ブログ、モバメ(モバイルメール)との最大の違いは、投稿のコメント欄でメンバーとファンがリアルタイムでチャットのように会話する文化が生まれたことだ。検閲なしで紡ぎ出される言葉は、時にハプニングも巻き起こしたが、管理された無菌室状態ではなく、メンバーに何がOKで何がアウトなのかを自らの肌でジャッジをさせることで、ネットリテラシーとコンプライアンス意識を芽生えさせた。「転ばない方法ではなく、転んだ時の対応力を培う」「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えろ」にも通じる、自立心を養う方法だ。

 動画も投稿できるGoogle+では、自主的に投稿番組を始めるメンバーも現れた。SKE48のみならずAKB48グループ最年長、最長研究生・松村香織は「BBQ 松村香織の今夜も1コメダ」を開始。彼女はぐぐたす選抜参加、「週刊プレイボーイ」連載も開始し、選抜総選挙34位を獲得。SKE48研究生公演の仲間たちの熱意を訴えたことも話題を呼んだ。

 さらに、「キスだって左利き」の選抜にも選ばれ、研究生公演の舞台裏に迫ったドキュメンタリー映像も自ら編集して公開。ラジオ『‟AKB”三昧』(NHK-FM)では秋元康氏から「もしも昇格の話が来ても、断れ」と想像の斜め上を行くアドバイスを受けながらも、ついには、コンサートにも通うほど好きなSMAPと『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で、SKE48として共演を果たした。

 一般的に女性アイドルは、ジャニーズが好きなことは公言しない。なぜなら、周囲から偏見を持たれ、叩かれるからだ。「出る杭は打たれる」が、松村は「出すぎた杭は打たれない」という人生を選ぼうとしている。誰にも頼らず、自分のやり方を突き通す元メイドカフェ店員が、憧れのジャニーズに謁見するまでのシンデレラストーリーは、彼女のように人生のがけっぷちギリギリで、もがきながら生きている人にエールを送った。「チャンスの順番」はどこかから来るものでなく、自ら作り出すものだと、彼女は自分の生き方で証明しようとしている。

 そのほか、Google+の動画では、書籍化の予定もある平田梨奈の「30秒英会話」、小林茉里奈の「まりなってるNEWS」のほか、相笠萌、桑原みずき、木下有希子らは得意のダンスを披露し、佐藤実絵子はファンレターの返事を動画で1通1通語った。また、NMB48は、公演・コンサート終演直後に汗ビショの状態で感想を語る、シズル感満載の動画を届け、山本ひとみはショートコントを披露し、渡辺美優紀は“エアにぎにぎ”として握手会を動画で再現するなど、大人の手で編集されていない圧倒的なまでのリアリティがある。

 そこには偶像ではなく、地に足を着け、時に爆笑するぐらいコミカルに、時に涙腺を刺激するほど全力で青春を謳歌している“生きているアイドル”がいた。彼女たちが放つインディビジュアルな個性。それこそがAKB48だ。ゴマンといる芸能人の中で、10年後も生き残っていられるのはほんの一握り。まずは、AKB48グループという200人以上いる集団の中で、自分だけの揺るがない絶対的な個性を磨くことが肝要なのだ。

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