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日刊サイゾー トップ > 社会  > 県立図書館の役割って?

「図書館は貸し出しだけがサービスじゃない」神奈川県立図書館廃止問題から見えた、都道府県立図書館の役割

「本来、県立図書館の役割は、レファレンスや県内の遠方の市町村立図書館の支援が役割です。貸し出しサービスを行うと、近隣住民が市町村立図書館と同じ使い方をするだけになってしまうんです」(同)

■神奈川県の狙いは人件費の削減

 さて、もう一つの問題である閲覧の廃止はどうだろう。西河内さんは「これほど、人件費を抑制できる案はない」と指摘する。

「閲覧を廃止するということは、実質、図書館ではなく倉庫にするということです。これらならば、図書館よりも配置する人員はずっと少なくて済む。おそらくは、これが最も大きな狙いでしょう」(西河内)

 なるほど、やはりことの始まりは財政対策。ゆえに、人件費削減が最も大きな狙いなのかと図書館を管轄する神奈川県教育委員会に聞いてみたところ、拍子抜けした。

「報道では、すでに決まったことのように伝えられていますが、あくまで一案なんです」

と、担当者は話す。今回、すべての県有施設で財政の見直しが行われていることを強調し、その上で、県立図書館ではこのような方法が考えられるという案を示したにすぎないと繰り返す。こうした措置によって、どのくらい財政が縮小されるかも、試算していないのだそうだ。

 担当者の口ぶりからは、思ったよりも反響が大きかったため方針を変えた、とも聞こえてくる。図書館が単なる倉庫に変貌とは一体どんな状態なのか、一度見てみたい気もするが……。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/01/11 16:00
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