「ジャニーズも児童ポルノ扱い」した「自白は証拠の王様」男が衆院選で返り咲き当選!
#出版 #児童ポルノ #青少年育成条例 #非実在青少年
■「立法者の意思だけじゃ、どうにもならない」
ここまで激しい意見を述べる人物には、ぜひ詳しく話を聞かねばならない。後日、議員会館で筆者の取材に応じた葉梨氏は、
「自白は証拠の王様というのは、私が言ったんじゃない。刑法を学ぶ人間なら誰でも知っている。刑法学の通説ですよ」
と、資料をプリントアウトして説明を始めた。ところが、「児童ポルノ」の定義に話が及ぶと、法務委員会とは打って変わって、発言が曖昧になった。
「(芸術か否かは)関係ないですよ。ただ、(デヴィッド)ハミルトンの写真を見たことがあるけれど、個人的には児童ポルノじゃないと思う。でも、私は判断する立場じゃない。それに、篠山紀信さんが(ネガを持っていても)性的好奇心を満たす目的じゃないだろうし、家族のアルバムや出版社・ジャーナリストが取材目的で所持しているのは、正当行為だから犯罪にはなりませんよ」
葉梨氏が「犯罪にならない」と言っても保証はないだろう、と思いながらも黙って聞いていると、さらにこんな発言も。
「(児童ポルノか否かは)政府が調べるとは思うけど、実際、捜査されるのは、これから作られるものと、現在ある明らかに児童ポルノだとわかるもの。18歳か17歳かよくわからないものなんて、立証できないから捜査しないよ。捜査される可能性だってない。もちろん、そういう疑念が起こらないように話し合う必要があるんですよ。私だって、冤罪なんてあっちゃならないと思いますからね」
なるほど、警察庁キャリア出身だけあって、捜査する・しないの基準はわかるという経験則ゆえの主張かと思ったのだが、取材の終盤には
「立法者の意思だけじゃ、どうにもならないんだよね」
と、立法に携わる人間とは思えないことまで、言いだしたのである。
とにかく、この時の葉梨氏は、児童ポルノ改正案に反対する民主党を叩きつぶすためのパフォーマンスに心血を注いでいて、案の定、自分の発言の事の重大さの認識に欠けている印象を受けた。その直後の衆院選では落選。3年あまりの雌伏を経て復活した葉梨氏は、再びこの問題に携わるつもりなのだろうか。
自公が大幅な議席増をしたことで「表現の自由」の規制に反対する人々の間では、絶望感が広がっているという。しかし、歴史を振り返れば危機とは、革命的情勢とイコールであること。本当に守りたいものがあるというのならば、決意を示してほしいものだ。
(文=昼間たかし)
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