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コンビニには“頼れる町のなんでも屋さん”?『コンビニと日本人 なぜこの国の「文化」となったのか』

 また、00年代は成熟期、そして10年代は貢献期と位置づけ、コンビニの、ただ買い物する場所としてだけでなく、地域に貢献する企業としての姿なども紹介されている。この本を読むまで知らなかったが、大手コンビニの各チェーン店の多くは、震災時の帰宅困難者には「トイレを貸す」「水道水を提供」「地図やラジオの道路情報などの提供」といった、もしもの時のために出店地域の自治体と災害時協定を結んだり、深夜に徘徊するお年寄り保護の活動など、知られざる活動も行っている。

 また、意外と地域に密着した営業をしていて、例えば愛知県でおでんを買うと必ずもらえる味噌が東京ではマスタードになったりと、チェーン店であっても全国すべて同じではなく、地域の特製を考慮し、商品が販売されている。

 コンビニは便利だが、なんとなく味気ない――。そんなイメージが少なからずあるが、細かい気遣いを知ると、コンビニが“頼れる町のなんでも屋さん”のように思えてくる。普段、何気なく入るコンビニも、応援してあげたくなる気持ちになる1冊だ。
(文=上浦未来)

●かとう・なおみ
愛知県生まれ。法政大学法学部卒。経営コンサルタント会社を経て、1989年に流通業界のサポート会社「トレードワーク」を設立し、メーカーや小売業のマーケティング・サポートを行う。1991年から消費生活コンサルタントとしても活躍。流通業界に精通する立場から流通専門誌などに数多く執筆し、著書に『コンビニ・ドットコム』(商業界)、『コンビニ食と脳科学』(祥伝社新書)などがある。

最終更新:2013/01/09 21:00
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