『アニソンキング』小野澤総合プロデューサー「意地張っちゃってますね。いい意味で」
#アニメ #アニソン
◆紅白両組の勝敗は、審査員の5票、会場に詰めかけたファンの1票(配布される「うちわ」の紅白どちらかの面を掲げる・総得票の多いほうに1票)、ネット投票の1票(PCやスマートフォンから投票・総得票の多いほうに1票)、計7票で競う。投票終了後、アクリルの箱に入った紅白のボールを投げて(プレゼント)数えるのだという。ネット投票は投票された時間帯が記録され、どの演出のときに票が入ったかという分析にも用いられるようだ。
──ここまでのお話をうかがったかぎりでも、そうとう儲かっていないようなのですが、どうしてつづけられるのですか。スポンサーがついてくれているというのはあるにしても。
小野澤 あのですね……個人的には、アニソンを歌っている人たちと話をしていくと、ほんとうにわけ隔てなく、楽に話ができるんですよね。
ぼくら、番組やイベントをやってきた人間としても、出演者と話すときはちょっと緊張感があるんですけれども、そうではなく、「ではぼくはこれをやります、これを演出します」という話が双方から自然に出てくるんです。ものをつくる相手としては最高かなと。いろいろな経験もされていて、教えていただけることもあるし。
10年、15年つづけてきているのはすごいなと思うんですよね。
この仕事をずっとやってきて、すごくいい音だと歌っている人が舞台袖をニヤリとするんですけど、アニソン歌手はその横顔がいいんですよ。つづけていくモチベーションはそこで。あとはこのイベント楽しいね、と、引っかかってくれた人や企業を巻き込んで、巻き添えにしていきたい(笑)。まあ、意地ですね。儲からなくてもいいんじゃないかっていうくらい、意地張っちゃってますね。いい意味で。
──製作委員会方式で投資したぶんを計画的に回収する、各作品単位のイベントとは、いろいろとちがうみたいですね。
小野澤 そうですね、音響だ舞台だと、それぞれのスタッフが離れていない。株式投資とちがうので。まあ、観ろよ(笑)と。観て歌えよと。アニソンイベントのなかでいちばん素朴なものかもしれないです、ぼくがめざしているのって。『ザ・ベストテン』みたいな素朴なものをつくりたいというのが企画意図かもしれない。いろいろな人が出ているごった煮みたいな。
きざな言い方をすると、音楽シーンとかではなく、アニソンが好きな人が集まる場所を、年にいっぺん提供してんだ、と。そこにみんな来てくれれば最高だし、観てくれればもっと最高だし。録画で復習できるイベントって最高だなと思っていて。家に帰ってからもう一回観られますからね。やっていても楽しい。
それぞれが自分のステージを、思い切り……いまオリンピックでも「楽しんでください」って言いますけど、勝たなきゃどうしようもないわけで、そのステージで一年を締めくくって「また来年もがんばるぞー!」と思ってもらいながら、一年に一回は「このステージいいよね」というものをつくりつづけていきたい。
ちょっとまだ仮なんですけど、今後はリスナー、ユーザー、ファンの方と意見交換するアニキンミーティングというものをやろうと思っているんですよ。「アニソンキング」を年に一度の風物詩にするとともに、押し付けるでもなく、常にあるようにもしたいなと。
(取材・文・写真=後藤勝)
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