決定! 2012年スクープ大賞BEST10はこれだ!!
#元木昌彦
今年もあと数日を残すだけとなった。この1年間のスクープを振り返ってBEST10本を選んでみた。例年になく今年はスクープの当たり年。絞り込むのが難しかったが、悩んだ末に以下の10本を選んだ。ご覧あれ。
第10位
「仰天スクープ撮り! 国民的アイドル前田敦子 深夜の『お姫様抱っこ』」
(「週刊文春」9月20日号)
9月5日、前田の卒業記念アルバム『あっちゃん』(講談社)の発売記念イベントの後、六本木で打ち上げの会が開かれた。その後、事務所のクルマで麻布十番の高級カラオケカフェ「M」へと向かう。
そこにはAKB48の大島優子や人気俳優の佐藤健ら5人がいた。みんなでテキーラを30杯ほど飲んだ後、午前3時半過ぎ、前田が泣きながらそこを飛び出し、タクシーをつかまえて消えてしまう。
だが、再び前田が戻ってくる。しばらくしてから佐藤が前田を抱きかかえるようにして、待たせていたタクシーに乗り込む。
前田の住んでいるマンションに行き、酔っぱらったのかグッタリしている前田を佐藤が抱きかかえるのだが、支えきれず「国民的アイドルのスカートはまくられ、お尻丸出しのあられもない姿に」なる。
このシーンがグラビアにバッチリ載っている。いまや『前田敦子はキリストを超えた』という本まで出た国民的スターの一夜を撮った見事なスクープである。
第9位
「苦悶する『中村勘三郎』集中治療室の『人工肺』」
(「週刊新潮」11月22日号)
第十八代目中村勘三郎は57歳の若さで亡くなってしまった。この時点で、新潮に書かれていることを、多くの歌舞伎ファンは信じたくなかっただろう。
だが願いも虚しく、歌舞伎を愛し、酒を愛し、女を愛した希代の役者は、多くの人たちに惜しまれながら旅立ってしまった。
しっかりとした取材に基づいた新潮の底力を見せつけたスクープであった。
第8位
「ナベツネの違法行為を暴露する読売現秘書部長『爆弾日記』公開!」
(「週刊文春」11月15日号)
今年は読売がらみのスキャンダルが多く噴出した。これもその1本で、渡邉恒雄読売新聞主筆が運転免許更新の際、読売新聞幹部に命じて、必要な高齢者講習を受講せずに済ませるよう警視庁に依頼したという内容である。
この件はすでに時効にはなっているが、メディアのトップにはあってはならないスキャンダルであろう。読売側は告訴すると息巻いていたが、その後はどうなったのか。
この記事は、それを担当した読売現秘書部長の「日記」がもとになっているのだが、文春はどうやってそれを入手したのだろうか。謎の多い記事ではあるが、大メディアの内部崩壊が近いことを感じさせるスクープだ。
第7位
「原発再稼働の大嘘」
(「週刊ポスト」4月27日号)
今年1年間、ポストは怒り続けてきた。怒るポストの真骨頂を見せたのがこの記事である。
原発再稼働に慎重だったはずの野田佳彦首相や枝野幸男経産相が、
「4月3日の関係閣僚会合から、何かに取り憑かれたように再稼働に驀進する。野田首相が会合で『新たな安全基準をつくれ』と命じて新基準ができるまでが2日間、枝野氏が新基準をもとに関電に『安全対策を出せ』と指示してから提出まで3日間。わずか1週間足らずで安全かどうかの判断基準を決め、それに基づいて安全のお墨付きを与えるという離れ業を演じたのである」(ポスト)
そして枝野は、記者会見で「再稼働基準を、おおむね満たしている」と言ってのけた。ポストは「『おおむね』で動かされてはたまらない。あのアホの繰り言『ただちに影響ない』と同じ詐欺的論法である」と怒る怒る。
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