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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > THE OUTSIDER衝撃レポ

怒号ひしめく『RINGS/THE OUTSIDER 合同大会』やっぱり“不良”はおっかねえ!!

 一方の黒石の様子はどうか。この日は勝ち越しをかけた大一番、しかも地元・横浜の開催とあって、応援団やファンが大勢駆け付けており、声をかけられる度に笑顔で応対している。しかし控え室で1人になると、鬼気迫る表情で精神統一。邪魔をすると怒られそうなので、短時間のインタビューを。

──体がかなり引き締まっていますね。

「普段より5キロほど絞りました」

──今日、渋谷選手とは会いました?

「見かけたけど、しゃべってないっす」

──今日の試合に向ける意気込みを。

「ぶっとばします!」

 その後のミット打ちでは軽やかな動きを披露。「調子良さそうだね。体も軽いし。クソみたいに練習やってきたもんな」とセコンドに声をかけられると、黒石は静かに微笑み、「勝利の女神様は俺の中に」とつぶやいた。

378A2018.jpg黒石も気合は十分。

 そして大歓声のなか迎えた一戦だが、歓声はやがてブーイングに変わってしまった。両者、スタンド状態で睨み合ったまま、なかなか手を出さない。双方、牽制程度の蹴りは見せるが、それ以上は踏み込まず、お見合い状態のまま1ラウンド終了。客席からは「ふざけんな!」「やる気あんのか!」などの野次が飛ぶ。

 さすがに攻勢に出るしかないと思われた2ラウンドだが、試合展開は相変わらず。「残り1分」とアナウンスされると客席のフラストレーションはピークに達し、「なんで手を出さないんだ!」と立ち上がって怒鳴る客や、「マザー・フ×ッカー!」と連呼する外国人の客らで場内は騒然。暴れ出し、つまみ出される客もいた。

378A2056.jpg黒石の前蹴りを冷静に外す渋谷。
結局どちらも決定的な攻撃を繰り出せずに終わった

 結局、そのまま試合は終わり、ドロー判定。客席からは落胆のため息が漏れ、思いを試合にぶつけられなかった両選手も肩を落とした。

378A2210.jpgジャッジを聞く2人も冴えない表情。

 試合後の渋谷に話を聞く。

──スタンドで踏み込めなかった理由は?

「カウンターを狙いすぎちゃって……。向こうはタックルを警戒しすぎちゃったみたいで……」

──不完全燃焼では?

「ヤバイっすよね。もう1試合やりたい。今からやり直したいぐらい」

 会場にいた黒石のお母さんに、この試合を総括してもらった。

「ショボイですねえ。お互いが相手を警戒しちゃって。あんなショボイ試合するくらいなら、KOで負けたほうがよかったわよ! お金を払って見に来てくれたお客さんにホント申し訳ない。さっき渋谷クンに会ったから『どうしてあんなショボイ試合したのよ!』と叱ったら、『すいません』って謝ってました(笑)。息子には、家に帰ってからキツ~く言っておきます。『次はバチバチにやんなさいよ!』と。ホントすいません!」

 挫折を乗り越えて、人は大きくなる。両選手の奮起に期待しようではないか。

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