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もともとヤギ男だった!?  サンタクロースの実像を追いかける『12月25日の怪物』

 地図をよく見ると、案の定、「サンタクロースは実在している」と書かれていた。彼は早速、サンタクロースの正体を追いかけた。そして、2006年2月から3年間にかけ、トルコを皮切りに、イタリア、オランダ、アメリカ、フィンランド、さらには、中国、日本の秋田へ向かう。

 だが、その姿を探っていくと、わたしたちがイメージするサンタクロースとは似ても似つかない存在が影をちらつかせ始める。毛皮に穴を開けただけの仮面をかぶり、頭には先の尖った角が伸びていて、全身は野獣の毛で覆われている。それでいて、二本足で直立歩行。これは、一体どういうことなのか?

 また高橋氏は、なぜ日本でこれほどまでにクリスマスが定着し、サンタクロースが愛されているのかという疑問についても取り組み、一見、まるで無関係に思える秋田県のある有名な行事に参加し解き明かしていく。もはや、クリスマスなしでは考えられない日本の年末だが、クリスマスが盛大に祝われていることには大きな意味があった。

 間もなくクリスマスがやってくる。そして、サンタクロースがやってくる。あなたは、その正体を受け入れることができるだろうか。
(文=上浦未来)
 
●たかはし・だいすけ
1966年、秋田市生まれ。探検家・作家。「物語を旅する」をテーマに、世界各地に伝わる神話や伝説の背景を探るべく、旅を重ねている。2005年、ナショナル・ジオグラフィック協会(米国)から支援を受け、実在したロビンソン・クルーソーの住居跡を発見。探検家クラブ(米国)、王立地理学協会(英国)フェロー会員。著書に、『ロビンソン・クルーソーを探して』『浦島太郎はどこへ行ったのか』(いずれも新潮社)など。

最終更新:2012/12/23 15:00
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