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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 猪瀬新知事の“表現規制”に迫る
これが都民の選択──

猪瀬直樹新都知事に肉迫! 『ミカドの肖像』の前に脆くも崩れた「表現の自由都市」という妄想

 猪瀬氏に対抗する言葉として「表現の自由都市」は砂上の楼閣にもならなかった。それも当たり前だ。一昨年の東京都青少年健全育成条例改正問題は、改正案成立後はなし崩しに事態が進んでいくまま。「規制反対」を掲げた人々は、敗北の理由を正しく総括しきれていない。加えて前述の通り、弛緩は進み「規制される恐怖」は一過性のものとして忘れ去られてしまっている。そんな状態で「表現の自由」を掲げても、『ミカドの肖像』(小学館)以来、身体を張って言論・表現を実践している猪瀬氏に、かなうとはとても思えない。

 さて、当選を受けての挨拶、記者会見の過程で気づいたが、この猪瀬氏のパワーも彼一人によって生まれたものではない。傍らに寄り添う夫人がいてこそのものだ。記者会見後、夫人に「内助の功」について尋ねたのだが、「それは、猪瀬に聞いていただいたほうが……」と、決して多くは語ろうとしない。にもかかわらず、筆者が「猪瀬さんが夕張に雪かきに行けというので、行ってきた者です」と挨拶したところ、非常に物腰柔らかく丁寧な挨拶を返してくれた。まさに「内助の功」の自然な実践。作家、そして都知事としての猪瀬氏をつくったのは、まさに夫人の力だと確信した。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2012/12/17 16:00
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