楽屋オチを吹き飛ばす、ネガティブ若様ご乱心の新境地『オードリーのオールナイトニッポン』
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しかし、だからといって、オードリーが面白くないというわけではまったくない。オードリーにはオードリーならではの面白さがあって、近ごろ若林のフリートークにおいて、新境地が2方向に開拓されつつある。
ひとつはネガティブの権化である若林の「自己分析話」で、実は若林の場合、内輪どころか、もっと対象範囲を狭めて自分自身の内省的な話をしたほうが、ねじれた価値観が浮き彫りになって面白い。
例えば8日の放送では、「自分のようにネガティブな人間は、10いいことがあっても、1嫌なことがあったら、10いいことがあったのを忘れる」「1嫌なことがあったのをチョイスして数珠つなぎにしたのが人生だと思ってるから、『生きてて楽しくない』とかいいだす」と冷静かつ的確すぎる自己分析を披露。すると直後、急激にトップギアに入り、「ただのバカなんだよ!」「生きるセンスがない」と瞬時に自己嫌悪モードに突入。かと思えばその反動からか、究極のポジティブ人間である春日に対し、「お前は生きる才能がある」「生きるセンスがすごい」「生きるのに向いてる」と褒め言葉を連発。しかし話はそこで終わらず、続けて「春日さんは自分が好きじゃん?」と質問を投げかけ、「世界で一番自分が好き」という春日の期待以上の回答を受け取ると、「だからつまんないんだよね」と返す刀で一刀両断。もう誰が味方で誰が敵だか、どこをけなしてどこを褒めたいんだかわからないくらいにこじれた思考回路だが、この発想の転がり方は、あまりにもリアルにネガティブな人間の脳内の動きを言い表していて、怖いくらいに刺さってくる。
そして若林のもうひとつの新境地は、この11月から展開されている「キャバクラ話」である。春日ではなくて、若林のである。
キャバクラに行くこと自体、まったく若林の内向的なイメージにそぐわないが、それどころか若林は最近、一人のキャバ嬢にすっかりハマッているという。しかもそのお相手の「ゆめちゃん」というキャバ嬢は、若林いわく、「本仮屋ユイカが茶髪にして耳に4つピアス開けた感じ」という、いかにもキナくさいルックスの持ち主。さらには「歌手を目指している」「ボイストレーニングのためにカナダへ留学したくて、その資金を稼ぐためにキャバクラで働いている」なんていう眉唾ものの典型的なプロフィールが若林の口からポンポン飛び出してきて、挙げ句の果てには、「キャバクラで働くような子じゃない」「留学の資金援助をしたい」とまで言いだして、春日にたしなめられる始末。もちろん。その口調には冗談っぽいニュアンスも含まれているのだが、こういった若林の「ポジティブに生きようとする動き」の空回り具合も間違いなく面白く、今後の展開から耳が離せない。
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