下ネタで英語がみるみる身につく?『出ない順 試験に出ない英単語』
#本
(飛鳥新社)
出ました、笑いの殿堂入り英単語帳! 『出ない順 試験に出ない英単語』(飛鳥新社)は、その名の通り、絶対にセンター試験やTOEICにはまず出ないであろう単語が、しょうもないイラスト付きの例文で150例紹介されている。主にどんな単語かというと、“Dirty talk”、つまりは下ネタ。だが、あなどることなかれ。この例文のクオリティがかなり高いのだ。
例えば、<nipple=乳首>。この例文は、
“Why do you fiddle with nipple?”
“Because it’s there.”
となっているのだが、訳は、
「なぜ乳首をもてあそぶのですか」
「そこに乳首があるからです」
単語をいくつか替えれば、どこかで聞いたことのある名言のはずなのだが、見事なまでに、その神聖さは崩壊。ほかにも<completely naked=真っ裸>では、
“The department manager tried to tackle the Santa Claus while completely naked.”
「部長は、真っ裸でサンタクロースを追いかけていた」
など、実に豊かな発想の例文で紹介され、不思議なほど頭にすっぽりと丸ごと英文が入り混んでくる。それゆえ、この英文を丸ごと覚えておいて、この試験に出ない英単語たちをちょっとだけ替えれば、実は受験にだって使えるハズ……なのだ!
本書では、アマチュア心臓バイパス手術が趣味で、歴史に残る大惨事を笑顔で乗り切る幸運児ボブと、「ぼんやりした不安」からつい服を脱いでしまう神経質な変態ウーマンの2人を中心に、電卓で鍛えたゴッドハンドを悪用する性技に長けた会計課長、新宿駅に行こうとしてかれこれ3年ほど都内をさまよっている変態通行人Aなど、実にどうでもいいキャラクターが次々に登場し、例文を紹介していく。
内容はくだらないが、これを何度も何度も読んで頭に叩き込み、臆することなく外国人にも使っていけば、気づけば妙な外国人の友達が増えていること間違いなし。また、親切にも、絶対に出題されない英単語、高確率で出ない英単語、普通に出る単語(とても普通とは思えない)に分かれているので、この順番に従い覚えていけば、効率的に怪しい英語が身につく仕組み。
なお、この本はまさかのCD付きで、真剣に聞きすぎないよう、集中力を妨げる工夫が、あれこれされているので、どうぞ耳を澄ませて集中してお聞きください。
(文=上浦未来)
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