「冬コミで『黒子のバスケ』を扱うなら来年夏以降は貸せない」東京ビッグサイトの要請に準備会が苦渋の決断
8日、コミックマーケット準備会は、相次ぐ『黒子のバスケ』脅迫事件を受け、12月29日から開催予定の「コミックマーケット83(以下コミケ)」で『黒子のバスケ』サークル参加中止、『黒子のバスケ』の同人誌・グッズ等の頒布を事実上禁止することを発表した。これまでも、コミケが脅迫を受け開催中に「手荷物確認」を行ったことがあるが、今回はそれを超える前例のない事態へと発展した。
今回の事態に至った経緯は、コミックマーケット公式サイト(http://www.comiket.co.jp/)にも掲載されている通り、会場である東京ビッグサイトと警察から、非常に強い要請を受けてのものだ。
早速、東京ビッグサイト関係者を直撃したところ、準備会側が要請を飲むに至った経緯を次のように話した。
「ここ2週間あまり協議が続いていましたが、準備会は(コミケの理念を軸に)決して折れませんでした。しかし、東京ビッグサイトが“もし今回『黒子のバスケ』を扱うのならば、来年夏以降は会場を貸すことはできない”と強く要求しました。警察も準備会の意見に理解を示しはするものの“来年以降も続けたいのならば、今回は仕方はないのでは”という態度。コミケの理念は尊重しますが、今回ばかりは準備会に折れていただくしかありませんでした」
準備会はなんとか最後までコミケの理念を守り抜こうと努力をした。公式サイトに発表された文書では「誠に断腸の思い」と書かれているが、本当に最後まで努力した上での苦渋の決断だったことが伝わってくる。
開催が3週間前に迫った時期での決定は、各方面に影響甚大。同人誌印刷所ではすでに原稿の入稿を終えているところも多く、キャンセル処理や印刷した同人誌の置き場の確保といった対応に追われることになりそうだ。
同人誌印刷を扱う(有)ねこのしっぽの社長・内田朋紀さんは話す。
「まず弊社のサイトに準備会の文書をリンクして、お客様に正しい情報を知ってもらうことにします。個別の対応は、それからですね」
これまでコミケは、参加者の意識の高さもあり、大きな事故を起こしてはこなかった。今回も、これまでに増して冷静な対応と情報の周知徹底への協力が求められる。
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