日・仏アヴァンギャルド映画監督2人に映画オタクのミュージシャン、J・オルークが迫る
#映画 #インタビュー #洋画
1960年代に故・若松孝二とともに鮮烈な映画を次々と世に生み出し、若手芸術家の筆頭として注目されるも、やがて革命に身を投じた足立正生を、フランスの前衛映像作家フィリップ・グランドリューが撮影した異色のドキュメンタリー映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』が12月1日より公開中である。
タイトルは、2007年に足立正生が35年ぶりに監督した『幽閉者 テロリスト』の中で、主人公Mが軍事訓練で見た美しい高原について、「その美しさのせいで俺たちの決断も一段と強まったのかもしれない」と語るセリフから取られている。学生時代から足立作品の大ファンで、2006年に日本に移住してから足立氏と親交もある米国人ミュージシャンのジム・オルークが、2人の前衛映画監督にインタビューした。
足立正生 2人は会うの初めて?
フィリップ・グランドリュー はい。
足立 ほんとに!? そうか。ジムは天才でクレイジーなやつだよ。アメリカ人であってもアメリカ人じゃない。
ジム・オルーク アイルランド人です。
グランドリュー アイルランド人で、ミュージシャンなのですね。
オルーク 『幽閉者 テロリスト』の音楽にも参加しました。
足立 そう、メインのメロディ部分(「りんごのテーマ」)を作ってくれて。彼の音楽、とても良いからぜひ聴いてみて。
グランドリュー ええ、必ず。
足立 (ジムに向かって)今日は2人でタッグを組んで、フィリップにいろいろ質問して、答えが充分じゃなければとっちめよう。
一同 (笑)
オルーク グランドリュー監督は、足立さんを最初どのように知ったのですか?
グランドリュー 4年前(08年)に、フランス大使館の主催で、僕のレトロスペクティブを渋谷アップリンクでやってくれたんです。その時に初めて足立さんと会いました。
足立 彼の映画を観て、僕はたちどころに彼のファンになった。だからそもそも僕たちの関係は、監督とファンという立場でスタートしたわけ。
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