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AKB48評論家・本城零次に訊く

AKB48楽曲の総選挙『リクエストアワー2013』大予想 「ヘビロテ」3連覇をあの曲がストップ!?

――4位は卒業するSKE48・矢神久美と、木崎ゆりあの「狼とプライド」。

本城 4位はまさかの矢神久美卒業で「狼とプライド」。SKE48のファンは結束力があるので、10月開催の『SKE48リクエストアワー 2012』で「ごめんね、SUMMER」のカップリング曲である「羽豆岬」を1位にして、卒業する“メアリーダー”平田璃香子に最後のプレゼントをあげられる。その統率力はすごい。矢神はアニメ『AKB0048』、ドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)とメディア露出も増え、SKE48も新劇場が12月9日オープンで「ここから」という時に卒業はもったいないけど、決意は固いでしょうから、最後にドカンと、AKB48のファンにも名をとどろかせてほしい。楽曲的にも「狼とプライド」は“送られ狼”を描いたスウィートな曲です。

――5位はアルバム『1830m』収録の「思い出のほとんど」。

omoidenohotondo.jpg(c)AKS

本城 前田敦子と高橋みなみ“あつみな”の揺るぎない絆を描いた名バラード。友情、絆、縁、運命……どんな言葉を使っても、陳腐になるぐらい固く厚い信頼を寄せ合った同い年、同期の2人に贈られた珠玉の名曲。AKB48のシングル、チームAの曲のほとんどはこの2人の歌い出しで歌ってきたわけで、ハーモニーも安定。オケもシンプルでいながら、サビでせめぎあうストリングスの音も美しい。Bメロからサビの展開が卑怯すぎるぐらい泣ける。

 そして最後に「あなたの顔や声が地図になる」で、涙腺の堤防完全決壊。音楽の教科書に載せていいレベル。あつみなだけの曲であり、捉え方によっては、長年連れ添った恋人同士がなんらかの事情で別れなければならなくなった時の曲にも聞こえる……という普遍的な曲でもある。

 前田敦子関連曲で上位に1曲は来ると予想。シングル「永遠プレッシャー」収録の「Music Video Request 2012」で3位なのは、「桜の花びら~前田敦子 solo ver.~」だけど、迷った果てに、こっちかなと。結局ファンは、メンバー個人を応援しつつも、そのメンバーがどのメンバーと仲が良いのか、脳内で相関図を作るのが楽しいんですよ。このペアは仲がいいとか、非公式ユニットを作ってるのを見て、AKB48という箱庭を観察して、一喜一憂するのも醍醐味。大島優子と渡辺麻友の“お尻シスターズ”とか、北原里英と指原莉乃の“りのりえ”とか、SKE48の2次元同好会とか、NMB48のWINGとか、いっぱいあるわけですよ。で、中には梅田彩佳、大島優子、松原夏海、野呂佳代の“梅島夏代”の「エンドロール」のように、曲にまでなったりする。そのひとつの頂点が、この「思い出のほとんど」。東京ドームの2日目で歌われて、直後にたかみなのソロデビューが発表されたのも、この曲に新たな意味をもたらした。もう歌うことはないんじゃ? と思ったけど、毎年『リクエストアワー』で歌う曲であってほしい。

――6位は「走れ!ペンギン」。

hashire_penguin.jpg(c)AKS

本城 チームが消滅してしまったチーム4の曲。当初は昨年のじゃんけん選抜の曲だったが、篠田麻里子優勝で「上からマリコ」になり、こちらがチーム4に贈られた。ラブソングなんだけど、意中の彼の“センター”を目指すという設定で、まさにチーム4のために書かれた曲。「チーム4はこの16人だけです」の言葉を残してチームが消滅してしまった彼女たちのためにファンが投票しており、Twitterには「#ペンギンプロジェクト」のハッシュタグも作られている。イントロでセンターに呆然と立ち尽くす(という振りの)島崎遥香は、“ぽんこつ”そのもので、2コーラス目は「飛べよ! ペンギン」になるのもポイント。

 作曲は、ZARD「負けないで」、WANDS「世界が終るまでは…」などで知られる、日本の作曲家別シングル売り上げ第3位の織田哲郎。実は、FIELD OF VIEWのキーボードだった安部潤が渡り廊下走り隊「ギュッ」「アッカンベー橋」を編曲をしていたり、最近では、PAMELAのギタリストだった小澤正澄がSKE48「アイシテラブル!」、AKB48・スペシャルガールズ「3つの涙」などを提供していたり、元ビーイングの人がAKB48に曲を書いているのも、個人的には興味深いところ。本当にAKB48は多ジャンルの作家さんが曲を書いているので、新曲が出るたびに作曲・編曲クレジットも要チェックです。

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