取引先に一斉に謎の問い合わせが…“制御不能”シャープの内側
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取引先に一斉に謎の問い合わせが…“制御不能”シャープの内側 – Business Journal(11月20日)
シャープの本社(「wikipedia 」より)
11月20日の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。ビジネスシーンで使えるまじめな1面記事から、飲み屋談義に花咲く変わりネタまで日替わりでピックアップしちゃいます!
【注目記事】危機の電子立国 シャープ混迷(1) 追い込まれ「片山復活」
注目は、総合面から「危機の電子立国 シャープ混迷(1)」の記事。今月1日に発表した13年3月期の最終赤字予想を、それまでの2,500億円から4,500億円に下方修正したシャープ。危機的な経営状態の裏にある経営陣の混迷ぶりに迫る内容だ。
先月末、シャープと取引のある部品・素材メーカーに、世界四大会計事務所の一つから、一斉に問い合わせが入ったのだという。依頼元がどこなのか、業者の間では臆測が飛び交ったが、海外の有力企業が“身体検査”を始めたことは間違いないとみられている。
そうした厳しい目にさらされているシャープが現在、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との提携に向けた交渉を進めていることはご存知の通り。今年8月2日に、最終赤字予想をそれまでの300億から2,500億に下方修正した翌日も、シャープの片山幹雄会長と町田勝彦相談役は、鴻海の董事長・郭氏と交渉を続けていた。3月に合意した際の買取価格は1株550円だったが、その後株価が急落し、一時187円まで下がった。そこで町田氏は、鴻海に損はさせられないとして、あらためて株の買取価格を見直そう、と提案し郭氏も了承したのだという。
しかし、鴻海が「シャープと出資条件の見直しで合意した」と発表したところ、シャープ側は「合意の事実はない」と発表。投資家に混乱をもたらした。どうしてそんなことになったのかというと、片山氏にも町田氏にも、出資条件を見直す権限などなかったからだ。実は片山氏は、巨額赤字の責任をとって、3月末に代表権を返上していたのだ。
この事件をきっかけに、同社の奥田隆司社長は、片山氏に液晶事業に関わる外部との戦略的交渉を委任。このことで、町田氏が主導してきた鴻海との提携交渉は凍結状態に陥り、片山氏は現在、インテル、アップル、マイクロソフト等の有力企業との業務提携へと方針を転換して交渉に当たっている。
しかし、社長時代に液晶パネルの在庫の山を築き、経営危機の原因を作ったのは片山氏とされている。そんな彼が再建を実質的に主導していることに、違和感を抱く社員もいるのだそうだ。
再びしくじれば経営破綻の可能性もある重大な局面。片山会長が新たな提携交渉をまとめて“信頼回復”となればいいのだが……。
1面トップは「リクルートがネット通販」の記事。リクルートが来年3月にインターネット通販事業に参入するとのことで、その特色や課題を紹介する内容だ。
現在国内のネット通販市場は楽天、米アマゾン、ヤフーの3強が主導。リクルートはすでに旅行予約サイトの「じゃらん」や飲食情報・予約サイト「ホットペッパーグルメ」などを展開し利用者は年間1億人程度に上るが、トップの楽天の利用者は年間2億人程度と半分程度。このため、さらに利用者を獲得すべく、他社より高いポイント還元率と、他社より安い出店者のシステム利用料を設定して一挙に顧客の確保と店舗、品ぞろえの充実を図るのだという。一方、流通体制整備の必要性が指摘されるなど課題もあるとのこと。
ネット通販の選択肢が増え、競争によりサービスが向上するのであれば、消費者としては大歓迎。しかし一方で、選択肢が増えることでどれが一番お買い得なのかを考え悩む時間が増えたり、いろんなところで細切れのようにポイントが貯まったり、カード情報の登録先が増えたり、などなど悩みの種も増えそう。
【社会面】発明家の中松氏が立候補表明 都知事選
社会面からは「中松氏、6回目の都知事選出馬へ」の記事。今や東京都知事選の常連候補となった発明家のドクター・中松氏が、6度目の都知事選出馬を表明したとの内容。
中松氏には失礼ながら、記事自体に何ら注目すべき点はない。が、無数にある国内外の重要ニュースを差し置いて、あえて限りある紙幅を割いた日経新聞の姿勢は注目に値する。やはり経済を刺激するイノベーター(!?)に対するリスペクトの念が強い日経新聞的には、“特別な存在”なのだろうか。
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