生まれ変わったAKB48が目指す新たな地平──再組閣・3代目チームA・K・B公演を徹底検証
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■“再組閣”に見る「戦略的人的資源管理」と「スーパーローテート」
“再組閣”として、3代目チーム体制が12年11月から始動したAKB48。新旧世代が切磋琢磨しあい、痛みを伴う革命を断行したAKB48の現状を評論家・本城零次が分析する。
2005年12月の活動開始から、およそ2年ごとにチームを入れ替え、新たな仲間と刺激しあうことで、メンバー各自の成長を促してきたAKB48。初代チームA・Kをシャッフルした07年7月~08年4月のひまわり組、09年に発表した“組閣”による10年からの2代目チーム体制での活動。さらに今回、チームを入れ替え、“再組閣”を行い、3代目となるチーム体制が12年11月から始動した。しかも今回は、4チーム制から3チームに移行することで、各チームが既定の16人から22~23人となり、事実上“ベンチ入り”するメンバーが出現。
チームの中でいつの間にか生まれていた役割分担をリセットし、新たな環境に身を投じることで進化の方向性を探るチームシャッフル。企業でも人事異動や人事交流を通して、戦略的人的資源管理を行うように、今回AKB48は、姉妹グループを越えて、さらに活発に血を入れ替えていこうという痛みを伴う改革路線に舵を切った。
多くの企業でも人事異動、配置転換は行われるが、それを行う理由のひとつには、別の部署でも周囲に溶け込み、成果を出す人材を発掘することで、その人材が珠であるか、石であるかを見定める作業でもあるといえるだろう。AKB48には、チームAが王道アイドル、チームKが体育会系、チームBがおもちゃ箱のようになんでもありの妹系アイドルのようなチームカラーがある。今回の再組閣を通して、3チームすべてを経験したメンバーも9人と多い。あたかもそれは、「それぞれのチームの色に染まりながら、自分だけの色を見つけろ!」というメッセージかのようだ。例えるなら、医療の世界で、研修医が「スーパーローテート」として各科で研修を行い、総合的な知識や技術を養う方式にも似た人事異動とも表現できるだろう。
3代目チームのウェイティング公演では、SKE48、NMB48、SDN48の楽曲も織り込むという新たな試みにも挑戦。楽曲は各キャプテンを中心にメンバー自らがセレクトして決定した。姉妹グループの曲を歌うということは、オリジナルと比較されるのは必然だ。
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