前代未聞の異常事態!? 習近平体制発足で、党大会終了も厳戒態勢続く北京
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(徳間書店)
11月8日から北京で行われていた中国共産党の第18回党大会は、最高指導者に習近平を選出するという予想通りの結果で幕を閉じた。党大会開催に当たり、北京市内では厳戒態勢が敷かれ、街の各所に治安要員を配備、地下鉄駅で行われた乗客の持ち物検査においては、はさみや爪切りりも没収の対象となった。
テロ対策や治安維持のためのこうした措置は、北京五輪や毎年の全国人民代表大会など、国家的イベントのたびに取られてきた。しかし今回は、いまだに厳戒態勢が解除されていないのだという。
「市内を走るタクシーは、車内から銃撃されたり危険物を投げられたりすることを防ぐ目的で、党大会の2週間ほど前から窓を開けることが禁止された。しかし、党大会が終わった今でも、タクシーの後部座席の窓を開ける手動レバーは取り外されたままで、窓を開けることができないんです」
そう話すのは、北京市に住む日本人駐在員だ。また、北京市の女子留学生もこう話す。
「党大会に際して、市内中心部で灯油やガソリンの携行缶販売や刃物類の販売が制限されましたが、北京市民はこうした措置には慣れていて、今回も『党大会だから仕方ない』と不便に耐えていました。しかし、党大会後もなかなか平常化されない中、『なにか変だ』と不穏な空気を感じている人も少なくありません」
党大会終了後も続く厳戒態勢について、広東省ブロック紙の社会部記者はこう話す。
「党大会での人事の結果は、胡錦濤が属する青年団派の完敗。胡錦濤政権下で起きた反日デモへの対応の甘さを、習近平率いる太子党に突かれたことも大きなダメージとなったといわれているが、そもそも反日デモの暴徒化を仕組んだのは習近平一派だという話もある。 その証拠に、反日デモ後に設置された日本大使館周辺のバリケードが、習近平政権発足直後に取り払われている。一方、そんな権謀術数にはまってイニシアチブを奪われた青年団派は、今度は習近平新体制の出鼻をくじこうと、はかりごとを企てているという情報もあり、新政権は警戒を強めているのでは」
指導者たちが権力闘争ばかりに執心し、民を案じないのは、どこの国も同じ!?
(文=牧野源)
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