トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > やっぱり老害? 読売を私物化するナベツネの違法行為告発で、読売帝国崩壊か

やっぱり老害? 読売を私物化するナベツネの違法行為告発で、読売帝国崩壊か

 私の知人も最近講習を受けてきたが、1日仕事になるといっていた。世の不正を告発する大新聞のトップがこんなことをしてはいけない。

 文春はこう結んでいる。

「本誌が今回公表した日記からは、違法行為に加担せざるを得なかった記者たちの苦悩が読みとれる。警察権力の監視役である現場の記者たちの報道倫理をねじ曲げた渡辺氏の罪はあまりに重い」

 私はこれを読んで、ノンフィクション作家・本田靖春が読売新聞を辞めるきっかけになった「正力コーナー」のことを思い出した。

 「正力コーナー」とは、当時社長だった正力松太郎の要請によって、彼の動静を毎日のように紙面を使って報じたことをいうのだが、本田はこれを紙面の私物化だと批判し、やめさせるべきだと同僚に説いて回るが、誰も正力を恐れて声を上げなかった。

 そんな読売に嫌気がさして、本田は読売を辞めることを決意する。

 文春を読む限り、正力、務台光雄と続いてきた読売私物化は、渡辺主筆になって、さらにひどくなっているようだ。

 当然ながら「読売新聞東京本社は8日、同日発売の週刊文春(11月15日号)に掲載された『ナベツネの違法行為を暴露する読売現秘書部長「爆弾日記」公開!』と題する記事について、改ざん・捏造(ねつぞう)の疑いのある記録や出所不明の資料をもとにしており、事実と全く異なる記述によって名誉が著しく毀損されたとする抗議書を、発行元の文芸春秋に送付した。

 今後、同誌や記録の盗み出しなどにかかわった人物に対し、刑事、民事上の法的措置を講じる。(中略)引用された『日記』には、秘書部長も含め関係者の認識とは全く異なる記述が多数ある。秘書部長は当時、警視庁記者クラブのキャップとしてパソコンで業務記録をつけていたが、『日記』は、この業務記録を何者かが違法・不正な手段で盗み出し、データの一部を改ざん・捏造したものである疑いが強い。渡辺会長の運転免許更新についても、警視庁に不当な依頼をした事実は一切なく、所定通り教習所に出向き、高齢者講習を受けるなど適切な手続きを踏んでいた。抗議書では、『現秘書部長「爆弾日記」公開!』とする見出しについて、現職の秘書部長があたかも内部情報を自ら積極的に暴露したかのような印象を与える狡猾(こうかつ)かつ悪意に満ちた表現であり、秘書部長個人の名誉も毀損していると指摘した。さらに週刊文春は先月中旬以降、秘書部長や多数の社会部員に対して行った取材および、グループ本社広報部への質問で、この『日記』や出所不明の資料の存在について意図的に隠し、一切触れなかった。抗議書は、そうした取材・報道姿勢も『悪質、異常、アンフェアであり、報道倫理に反する』としている」(2012年11月8日12時53分 読売新聞)

 読売側はまた、今回のことは清武氏がやったと言いたいようだが、これが事実だとしたら、事件は時効でも、大メディアを牛耳る最高幹部にあってはならない「醜聞」である。

 それに抗議するなら、本人の承諾なしで「日記」が掲載された山腰高士読売新聞東京本社秘書部長ではないのか。

 事実が違うなら堂々と指摘すればいいのに、表に出てこないのはどういう理由からなのか。一企業の人間としては、致命的な情報流出である。渡辺帝国の崩壊を予感させる記事だと、私には思える。

 千丈の堤も蟻の一穴から始まる。これが渡辺主筆の命取りになるかもしれない。
(文=元木昌彦)

最終更新:2012/11/13 14:01
1234
ページ上部へ戻る

配給映画